阪神矢野燿大監督(51)が22日、開幕同学年監督対決に闘志を燃やした。都内で12球団監督会議が開催され、敵将が一堂に勢ぞろい。矢野監督の胸が高鳴らないはずがなかった。

「(ヤクルト監督の)高津は同級生やしね、開幕戦もあたるし。楽しみにしている。こういうところで会っていくと、キャンプが近づいたなとか、シーズンが始まると…。気持ちが上がって、そういうモードに入ってきたなというのはある」

同じ1968年(昭43)生まれの高津監督が率いるヤクルトとは、3月20日のシーズン開幕から3試合、敵地神宮でぶつかる。もちろん、「そこがすべてじゃない」と前置きしたように、その3試合でペナントが左右されるはずもなく、オーダーも完全に固まっていない段階だ。それでも「目いっぱいいくよ」と語り、好ダッシュを決めるに越したことはない。

高津監督とは昨秋ドラフト以来の対面だった。阪神は奥川恭伸投手(18=星稜)を1位指名したが、先にくじを引いた高津監督が交渉権を獲得。そんな因縁めいた? ドラフトの話も互いにしたという。

昨年は燕に14勝9敗2分けと大きく勝ち越したが、油断などない。「ドラフトで即戦力の投手をいっぱい取っているし。投手さえ整えば、バレンティンが抜けたとはいえ、いいチーム」。ヤクルトはドラフトで3人の大学生を獲得し、新外国人投手も190センチの長身右腕マット・クック投手(29=ダイヤモンドバックス)、昨季メジャーで36試合登板のガブリエル・イノーア投手(26=オリオールズ)の2人を補強。投手整備を進める敵への警戒を強めるばかりだ。

矢野監督自身が「同級生で開幕あたるのも、おもしろい」と楽しみに待つ20年のシーズン開幕。一蹴するためにも2月キャンプで戦力を磨き上げていく。【松井周治】

◆阪神矢野監督とヤクルト高津監督は、90年ドラフト同期入団で、91年から高津がメジャーに在籍した04、05年を除き07年まで同じセ・リーグでプレーした。通算対戦成績は27打数6安打、3打点で本塁打はなく、打率2割2分2厘と高津投手が矢野捕手を抑え込んでいる。

<阪神-ヤクルト・因縁メモ>

◆13年10月4日 ヤクルトのバレンティンが日本プロ野球初のシーズン60号本塁打を放った。神宮での対戦で、先発したメッセンジャーから6回に右翼へ2ラン。阪神は引き立て役になってしまったが、試合は延長12回3-2で勝った。

◆15年10月22日 ドラフト会議で、1位指名で競合した明大・高山を巡って、先にくじを引いたヤクルト真中監督がドラフトマークを“交渉権確定”の印と勘違いしガッツポーズ。インタビューまで行ったが、後に阪神金本監督が交渉権確定のくじを引き当てていたことが分かった。