パットンからノーモア・パットンの金言、いただきました。阪神新外国人のジョン・エドワーズ投手(32=インディアンス)が28日、西宮市内の球団事務所で同じく新加入するジョー・ガンケル投手(28=マーリンズ3A)と入団会見を行った。ポスト・ジョンソンを期待される右腕は、メジャー時代の同僚DeNAスペンサー・パットン投手(31)から、“冷静のススメ”を伝授された。冷蔵庫を殴って骨折した右腕を反面教師に、フル回転を目指す。

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穏やかな笑顔が似合う新助っ人は、先輩たちの金言を胸にやってきた。「阪神タイガースは、伝統あるボストン・レッドソックスのようなチームと聞いているよ。そんなチームで1日でも早くプレーして、日本の野球や文化を知ることができれば」。

14、15年のレンジャーズ時代に阪神藤川、DeNAパットンとともにプレー。藤川からは当時、日本とアメリカの野球文化の違いを教えてもらい、さらにパットンからは大きなアドバイスを授かった。自分らしくいること、変化球が武器になること、そして…。「あまり審判に感情を出さないほうがいいよと、聞いたよ」。自身の苦い経験を伝えてくれたという。

パットンは昨年9月3日の巨人戦(横浜)で、8回に登板したが1死も奪えず2失点で降板。怒りに身を任せてベンチの冷蔵庫を殴り、右手小指を骨折した。「殴った後に『うわーやっちゃった、って思った』と言っていたよ」。苦い経験も包み隠さず話してくれた様子。「日本はすごくリスペクトを表している文化だと聞いていた。日本人はいろんなことに対して尊敬の思いを持っているので、あまり自分の感情を表に出さないと」。少し血の気の多い先輩を反面教師に? マウンドに上がるつもりだ。

メジャー通算49試合はすべて救援。昨季来日1年目ながら40ホールドを挙げたピアース・ジョンソン投手(28=現パドレス)の後継候補と期待される。「そういうふうに期待してもらえるっていうことは、すごくうれしい」。ジョンソンが投げた場面や回数など成績もチェックしたとか。覚悟と責任感もばっちりだ。

14年に判明した精巣がんも乗り越えたタフネス右腕。「困難を乗り越えて今日本に来られたのは、これも何かの縁。日本で何かを学ぶこと、日本でプレーすることは自分の人生の中で最適な選択だったのかな」。熱く冷静な助っ人が勝利の方程式に加わる。【磯綾乃】

◆パットンの冷蔵庫殴打事件 DeNAパットンは昨年8月3日の巨人戦(横浜)で、2点リードの8回に登板したが、1死も奪えず2失点で降板した。怒りのあまりベンチで冷蔵庫を殴り、利き手の右手小指を骨折。米国の病院で手術を受けた。球団からは罰金500万円と、リハビリ期間中の球団主催野球振興活動参加が科された。

◆ジョン・エドワーズ 1988年1月8日生まれ、米国イリノイ州出身。06年にドラフト14巡目でカージナルスから指名され外野手としてプロ入り。マイナーなどでプレー後、11年途中に独立リーグで投手に転向、同年オフにレンジャーズとマイナー契約し、14年8月にメジャーデビュー。パドレス移籍後、17年3月に自由契約となり同年は無所属だった。18年にインディアンスと契約。昨季は救援投手として9試合に登板し2勝0敗、防御率2・25。196センチ、108キロ、右投げ右打ち。