史上初かもしれない? 阪神の監督が提案したキャンプ特別企画「ニッカン選出 本日の推し虎」がスタートします。

就任2年目を迎えた阪神矢野燿大監督(51)が日刊スポーツ制定の日替わりMVP発表を企画。編集会議を経てさっそく採用となりました。初日は球界最年長の福留孝介外野手(42)に決定! シートノックに参加してランチ特打では快音連発、打撃投手も務める大ハッスルの1日でした。

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躍動感たっぷりの福留がレフトの守備に就いた。江越、陽川に交じってフライを軽快にキャッチ。そしてゴロを猛チャージして返球。調整を任される球界最年長が近年では例のないキャンプ初日からのシートノック参加。その後もアメリカンノックにも加わり打球を追いかける異例の光景に、メイン球場の雰囲気がピリリと引き締まった。

外国人助っ人と並んで始まったランチ特打でもさすがの存在感だ。ゆったりと間を作り鋭いスイングで力強い打球を連発。52スイング中、5本のアーチを右翼の芝生席に懸けた。室内練習場に場所を移すと、黙々と打撃マシンに対峙(たいじ)。今季は東京五輪の影響から開幕が昨年より9日前倒しされる。オフには「9日って結構大きい」と話していた福留だが、年明けは恒例のハワイ自主トレで身体をいじめ抜いた。その仕上がりの早さは明らかだった。

初日を終えた矢野監督は「申し分ないんじゃない」と100点の滑り出しに大満足だった。特に大ベテランのハッスルには感激。「孝介もシートノックにいきなり入るってすごいことやと思う。そこに引っ張られているっていうのももちろんある。みんな動き良かった」。エネルギッシュな42歳が呼び水となり、「想像以上」という選手の動きにつながった。

若手の居残り特打が始まった午後2時に、福留は再びメイン球場に戻ってきた。外野で打球を受けると、その後は打撃投手を買って出た。高山に58球、島田に60球の計118球。高山には投手方向から見た目線でアドバイスを送る場面もあった。練習を終えると「疲れた~」と2度繰り返して帰りの車へ乗り込んだ。その表情は充実感たっぷり。キャンプ初日のMVPは文句なしで決まりだ。【桝井聡】

阪神清水ヘッドコーチ(福留がシートノックに入り)「まさか初日から入ると思ってなかったのでこちらもびっくり。手本がいるので助かります」