投手力向上に新兵器! DeNAが、昨秋導入したハイスピードカメラ「Edgertronic(エッジャートロニック)」を、沖縄・宜野湾キャンプでも採用した。球団関係者によると導入はNPB初。1秒間に600~700コマが撮影可能な高性能カメラで、リリース瞬間や、どの指で、どう押し出しているかまでが判別可能。変化球習得などに効果が期待できるという。

ブルペンの右端、投手の後方に設置された十数センチ四方の小さなカメラが、大きな武器となる。2日にブルペンで投球を撮影した守護神の山崎は、投球後に端末ですぐさま映像や数値を確認。「球の軌道やデータを確認しながら、投げました」と話した。

同じく撮影した浜口も「かなりいいと思います。離れる瞬間まではっきり見える。変化球が思った通りに出ているのか確認できる」と効果を実感。さらに「いろんな人のデータがあれば、その人の得意な変化球を見て参考にできる」。新たにフォークボール習得を目指しており、新機器を有効活用するつもりだ。

すでに大リーグでは広く普及しており、トレバー・バウアー(レッズ)らが有効活用している。「ピッチデザイン」という言葉があるように、自分で球種を思うようにコントロール、習得するためのツールとして使用されている。

約80万円の機械は現在、1軍と2軍に1台ずつだが、効果を見て数を増やしていく見通しだ。チームでは打撃でも「ブラストモーション」などの測定機器を活用。IT企業DeNAが、メジャー流の分析をいち早く取り入れ、チーム力向上に役立てる。【鈴木正章】

主な高性能機器

◆トラックマン デンマークのトラックマン社が03年に開発した弾道測定器。ミサイル追尾のレーダー技術を応用して球速、球の回転数、回転角度、打球の角度や飛距離などを正確に計測する。

◆Rapsodo(ラプソード) シンガポールに本社があるラプソード社の製品。捕手の後方に設置し、投球の回転数や変化量を計測する。固定式のトラックマンより安価で持ち運び可能。

◆ブラストモーション ブラストモーション社が開発。バットのグリップエンドに装着し、スイングをすると、バットの軌道からスイングスピードや角度などが分かる。

◆テクニカルピッチ アクロディア社が開発。球の中に内蔵されたセンサーで回転数、回転軸などが計測でき、投球の「キレ」が数値化される。