キャンプ初日、阪神矢野監督から各スポーツ紙に「日替わりMVP」の推薦依頼がありました。日刊スポーツも編集会議で矢野企画の採用を決定。「本日の推し虎」と題し、その日一番ハッスルした選手を取り上げます。

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三塁は譲らん! 阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が助っ人では異例の志願で早出特守を敢行した。「助っ人とかは全く関係なく、1人の野球人としてしっかり準備していくことが大事だと思うので」。

午前9時10分。同10時から始まる全体練習を前に、久慈内野守備走塁コーチからマンツーマンで三塁ノック。同25分に大山らが加わった後も、黙々と打球を追った。早朝から45分間で計113球。全体練習前から、ユニホームは誰よりも泥んこになっていた。終了後には藤本コーチに「アリガトウ」と充実のペコリだ

「新しいポジションに挑戦しているので。早く慣れて、早く自分のものにしたいなと」。本職は三塁だったが、昨季は一塁。今季は新助っ人ボーアの加入で三塁に回り、大山との一騎打ちの様相だ。この日は前日から早出特守を申し出て、同リストにマルテの名前を見つけて久慈コーチは「え!?」と、目を丸くしたという。以前、ゴメスに対してコンディショニング調整のために早出を課したことはあるというが「自ら言ってきたのは初めてで、すごいハッスル。動きを見ても一塁をやってる時よりいい。スローイングもちゃんとできている」と高評価した。

マルテは今後の特守継続も宣言した。「自信を取り戻したいのが一番。数多くやりたい」。頼もしさも増した2年目。ボーアやサンズに負けじと、先輩助っ人がサバイバルを勝ち抜く意気込みだ。【奥田隼人】

▽阪神矢野監督(早出特守を行ったマルテについて)「俺もビックリした。もともとやっていたポジションというのもあるし、本人の気持ちがすごく出ている。意気込みは十分に感じたし、いい動きをしていた」