日本ハムが走塁改革で攻撃力アップを狙う。3日、沖縄・名護キャンプで行われた走塁練習は、予定された15分間を大幅に超える約45分間を割き、次の塁を狙う意識を野手陣に植え付けた。

昨季はチーム盗塁数もリーグワーストタイ。今キャンプでは打撃強化のためにバットを振りまくっているが、覇権奪回へ走塁に対する意識向上も図っていく。

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午前10時15分。捕手陣を除く野手はヘルメットをかぶり、一塁ベース付近に集まった。マウンドには投手役のスタッフがスタンバイ。約1メートル間隔で並んだ3人の走者が一様にリードを取った。投球はすべてワンバウンド。前後左右、どこにボールがこぼれるか分からない状況を作り、走者は即座に二進か帰塁かを判断していった。

次の塁を狙う姿勢を磨く練習だった。一塁の次は二塁、その次は三塁へ。気がつけば時計の針は同11時。予定された15分間の3倍、45分間を費やした。同練習の発案者は矢野外野守備コーチ。金子野手総合コーチも、意図を補足した。「準備が大事。足が遅くても、しっかり先に進めるかは心がけ次第」。パ・リーグはソフトバンク千賀、楽天則本ら、本格派がフォークなど落ちる系の変化球を駆使する。暴投や捕逸の可能性も高く、そんなわずかなスキを得点につなげる。

同コーチは2日もユニークな練習を課していた。フリー打撃中、二塁ベース付近に選手を立たせ、打席に背を向けて打球音だけで飛んだ場所をイメージさせた。「(現役時代に)遊撃を守っていると、二塁走者の時に打球判断がしやすかった」。見慣れた景色であれば、バットの軌道やインパクトを見て、打球の方向、速度がわかる。だが選手によってポジションはバラバラ。あえて視覚をシャットアウトし、聴覚で打球判断する“耳力”を養った。

今季から就任した小笠原ヘッド兼打撃コーチも、盗塁増など走塁の意識を高める必要性を説いている。各選手に10盗塁以上を期待していると聞き、「無理だよ…」と弱気だった中田も、1カ月2個で到達するという“ガッツ理論”に「あ、それなら、いけるかも」。1軍に走塁コーチの肩書を持つ指導者はいないが、首脳陣が知恵を絞って取り組む走塁改革は、着々と進んでいる。【木下大輔】