2年目の進化デ~ス! 阪神ジェフリー・マルテ内野手(28)が18日、沖縄・宜野座キャンプの紅白戦で20年初実戦に臨み、初打席で西勇から特大弾を放った。「試している段階」という重心を下げた新フォームでいきなり成果を披露。大山との激しい三塁レギュラー争いで、1歩も引くつもりはない。

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マルテがファーストスイングで進化を印象づけた。どっしり感が増した構えからのフルスイング。下半身にためたパワーを余すところなくボールにぶつけた。右肩を下げながら力強く右腕で押し込むと、大飛球は勢いを残したまま左翼芝生席後方にドスン。「最高の結果になった。順調に調整ができている証拠だと思う」。本人も納得の推定飛距離120メートル弾となった。

20年初実戦となった紅白戦。1ボールから西勇の外寄り125キロスライダーをひと振りで仕留めた。来日2年目のレベルアップを図り、昨季より重心を下げた新フォームを試している最中。「日本にはコントロールが良くて、低めに投げてくる投手が多い。(重心を下げると)低めのボールに対応しやすい。今日は悪くなかったね」。上々の成果に笑みが絶えなかった。

昨季は一塁を主戦場とし、打率2割8分4厘、12本塁打。確固たる立場を築くまでは至らず、今季は本職の三塁で大山と激しくレギュラーを争っている。今キャンプでは助っ人という立場に甘えず、連日のように早出特守を志願。「三塁守備を楽しめているよ」と充実感を漂わせる。

この日はサブグラウンドの内野守備練習でムードメーカー役を務める場面も。当然、その姿勢は周囲から高評価されている。矢野監督は「気持ち、意気込みをすごく感じる。1年やった中でマルちゃんの自信みたいなものも感じる。攻守に関してはすごくいい状態やね」と目を細め、「いい悩みが増えることになる」とうれしい悲鳴を上げた。

紅白戦ではライバル大山も適時打を記録。今後も互いに1歩も引かぬバトルが続きそうな情勢だ。もちろん、マルテにも自信はある。「2年目で慣れて、配球を読んだりする余裕がある。去年以上の成績を残したいといつだって思っているよ」。バトルが白熱すればするほど、虎の底力がアップする。【佐井陽介】

阪神井上打撃コーチ(三塁争いに身を置くマルテが初実戦で特大弾)「やっぱりキャラとか性格とか、外国人選手でありながら早出で特守をするとか、そういうのを見せられると頑張ってほしいと思う。可能であるなら阪神タイガースだけ外国人枠(4人)を5人にしてって思いますよ」

巨人中里スコアラー(マルテの本塁打について)「甘いスライダーを逃さずに打っていた。このまま結果を出し続ければ(マルテが)サードはある」

中日金子スコアラー(マルテについて)「ホームランを打ってアピールして、ボーアとサンズと(外国人)枠の争いが激しくなってくる。しっかり仕留められて、いいバッティングが出来ていた。キャンプに入って自ら特守もしているし。すごくいい仕上がりだと思う」