外国人枠争いで明暗が分かれた。広島が19日、日本ハムと練習試合(名護)を行い、新外国人のテイラー・スコット投手(27=オリオールズ)とD・J・ジョンソン投手(30=ロッキーズ)がそろって1回0封デビュー。佐々岡真司監督(52)ら首脳陣は結果、内容ともに高く評価した。2戦連続2失点のヘロニモ・フランスア投手(26)が調整が遅れる中、2人の新戦力が輝きを放った。

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始まったばかりの競争で明暗がはっきり分かれた。来日初めて対外試合に登板したスコット、D・ジョンソンの両新外国人がデビュー登板で持ち味を発揮した。まず6回、スコットが切れ味鋭いスライダーとツーシームで両サイドを広く使い、1回1安打無失点。8回のD・ジョンソンは最速149キロを計測した真っすぐには力があり、1三振を含む3者凡退で滑り出した。2度目の対外試合でも精彩を欠くフランスアを挟んで登板した新戦力が大きくアピールした。

今季広島の外国人枠は投手3、野手1で開幕するとみられる。先発の柱のK・ジョンソンは唯一の当確。新外国人野手のホセ・ピレラ外野手(30=フィリーズ)も濃厚。残り2枠を中継ぎ3投手で争う。最有力とみられたフランスアだが、立場が安泰ではない。初実戦の14日ロッテとの練習試合よりも球速は出ていたが球威はなく、安打を浴びて2戦連続の2失点となった。佐々岡監督も「あのストレートでは厳しい」と調子が上がらない昨季の抑えの姿に首をひねった。

フランスアと外国人枠を争う2投手は評価を上げた。スコットは細身だが、右横手から振り下ろす直球は実戦初登板で148キロを計測。チェンジアップは封印したが、鋭く変化するスライダーが大きな武器となり可能性を示した。沢崎投手コーチは「良さを出してくれた。走者を出したが最初の登板でいいところを出してくれた」とうなずいた。

D・ジョンソンはマウンドで仁王立ち。新球チェンジアップはまだ改良の余地はあるが、直球とカーブでも調整段階の日本ハム打者を押し込んだ。佐々岡監督は「ストレートで空振りが取れるし、パワーピッチャーという感じがした」と高評価。今季の抑えについては「3人で競争してもらう」と期待する。ハイレベルな争いが、より頼もしいコイの守護神を生み出すに違いない。【前原淳】

▽広島スコット「ストライクを多く投げられたので良かった。いつもは3、4月に(球速が)上がってくるが、いつもよりいい」。

▽広島D・ジョンソン「ストライクをしっかりと取れた。シーズンに合わせてやっていきたい」。

▽広島フランスア「修正し切れていないところがある。二塁打は投げている球種がバレているのか…」。

■投手(3枠濃厚)

当確 K・ジョンソン

評価↓ フランスア

評価↑ D・ジョンソン

評価↑ スコット

■野手(1枠濃厚)

有力 ピレラ 

微妙 メヒア