プロ19年目の西武栗山巧外野手(37)が、剛速球をはじき返した。宮崎・清武で26日、練習試合オリックス戦に7番指名打者で先発。4回2死一塁の第2打席、この試合で155キロを計測したK-鈴木の直球に負けないスイングで、左中間へ運んだ。送球間に二塁から三塁まで激走。押し負けることなく勝ち越し適時打を放ち「オリックスの投手は球速い。それを詰まることなくヒットにできてよかった」と笑顔を見せた。

6回の第2打席には、フォークの軌道にバットを合わせ、右前へ転がす適時打。対外試合初安打を含む2安打2打点に「結果はそんなに気にしていなかったけど、いいスイングができて、そのヒットで得点に絡むことができた」。通算1825安打のヒットマン。球団生え抜き選手初の2000本安打へのカウントダウンへ向け、実戦でしっかりと結果を示せた裏には、ワケがある。

宮崎・南郷での春季キャンプ最終クール。紅白戦を終えると室内練習場で、打撃マシン相手に振り込んだ打球は、すべて引っ張り方向。「引っ張れるくらいのタイミングでやらないと、押し込まれるんだなと反省したんですよ」。ベテランの領域に達しても反省を忘れない。剛速球にも押し込まれないスイングで、変化球にも対応できる技術。栗山らしさが凝縮された2打席だった。

殊勲の2安打を置き土産に27日の練習後、チームを離れる。高知で調整しながら、3月上旬のオープン戦で再合流の予定。「こういう打撃を続けていきたいですね」とほほ笑んだ。【栗田成芳】