キャンプ中のプロ野球独立リーグ、BC新潟は20日、長岡市内で練習を行った。

2年目の阿部裕二朗外野手(19)が順調に調整を続け、開幕の石川戦(4月11日、金沢市民野球場)に備えている。昨季は練習生でスタートし、8月に選手契約を結んだ。今季が実質的な1年目。北越高時代から売りだった長打力を磨いてチームの主力に成長し、今秋のNPBドラフト会議での指名を目指す。

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持ち味の長打に磨きをかけて、阿部は開幕を待っている。新型コロナウイルスの影響で練習試合が中止になるなど、まだ対外試合はしていないがシート打撃ではフェンス直撃の打球を披露。「オフからずっと体を鍛えてきた」。体重は昨季の72キロから75キロにアップ。ご飯を毎食どんぶりで4杯たいらげ、週4回のウエートトレーニングをした。筋肉増量の手応えを感じている。清水章夫監督(44)は「振れている。昨季よりも良くなっている」と期待する。

目標は明確だ。「全試合に出て結果を出し、(NPB)ドラフトで指名されたい」。自身に課したノルマは「本塁打10本」。173センチと小柄ながらパンチ力には自信がある。北越高では3番右翼手で通算本塁打15本。迷いのないフルスイングは北信越地区でも注目された。長打だけでなく「打席に立った時の状況で何が必要か判断する。まず進塁打を意識している」と、チーム打撃を重視する冷静さもある。

昨年2月に投手の練習生として加入。夏前に野手に専念し、8月に選手契約を結んだ。昨季は出場5試合で6打数3安打、1打点。「無我夢中だった。あっという間」。反省も手応えも感じる間がないほど懸命だった。だから今季を実質的なスタートと位置付ける。

昨季の4番で、昨秋のNPBドラフトで日本ハムの育成2位指名を受けた樋口龍之介内野手(25)からは「何か特化したものを持て」とアドバイスされた。「もちろん自分は長打」。磨き上げた先にあるものを楽しみに、シーズンに備える。【斎藤慎一郎】

◆阿部裕二朗(あべ・ゆうじろう)2001年(平13)3月2日生まれ、新潟市出身。東山の下小2年からNSジュニアで野球を始める。藤見中では少年硬式野球チームの新潟ヤングに所属し、主に投手。ヤングリーグ全日本選手権に出場した。北越高では1年の秋から外野手としてベンチ入り。2年の秋季県大会で3位になり、北信越大会に出場。3年夏は県大会ベスト16。173センチ、75キロ。左投げ左打ち。背番号34。