プレ開幕に手応え!! 広島大瀬良大地投手(28)が、当初開幕予定だった中日戦に公式戦さながらに先発した。

6回まで単打2本で無失点。7回に4失点したが、2戦続けて101球を投げ切った。今年初の実戦打撃では5回にバスターを決め、内野安打で好機拡大。エースは当初の開幕にきっちりピークを持ってきていた。今後は1度登板機会を空け、定められた開幕に合わせて調整していく。

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2回から大瀬良の投球が変わった。1回は12球すべてが直球と得意球のカットボールだった。だが、昨季有効だったスライダーに加えてカーブやフォークボールを多投した。2回は阿部と平田、京田をフォーク、スライダー、真っすぐといずれも違う決め球で3者連続三振。4回は早いカウントでカーブやスライダーを見せて凡打に打ち取った。緩急と奥行きを使った投球で中日打線を惑わせた。

「あまりカットボールを使わずに真っすぐとカーブ、フォークで抑えられた。違ったバリエーション。配球にしてもいいものが見せられた。今後につながっていくんじゃないかなと思います」

7回に不運な当たりや浮いた球を捉えられて4失点した。それでも「僕の中では結果ほど悲観するほどではないと思っている」と前を向いた。

前回13日のソフトバンク戦での5回4失点から修正と改善が見られた。投球の割合が低い球種で組み立てることで幅の広がりも感じられた。2戦続けて101球とスタミナ面の不安はなし。加えて、現時点で最短の開幕4月10日でも当たる中日の目先を変える餌をまくこともできた。バッテリーを組んだ会沢は「その意味合いも当然ある。前回の投球を踏まえて、大地といろいろ話をして組み立てられた」と納得の投球内容と感じ取った。大瀬良は当初の開幕日に1度ピークを持ってきた。

この日は指名打者制を解除し、打席にも立った。5回1死一塁ではバントの構えから前進守備した内野手の動きを見てバスターに切り替え、内野安打をもぎ取った。実りある投球に加え、打席での実戦勘も養えた。「あとは微調整や、やりたいことに集中できる」。今後は1度登板機会を空け、次回は4月第1週の週末を予定する。そこから定められた開幕日に合わせていく。【前原淳】