若きエース候補が間に合った。ロッテ種市篤暉投手がソフトバンク戦に先発し5回2安打1失点。

バレンティンに直球を本塁打されたが、次打席は直球のみで中飛に抑えた。「1カ月前はボールの回転が良くなかった。ここまで来られたのは良かった」と調整の成功を喜んだ。

打者16人に対し、13人が2ストライクからの勝負になった。「3球以内に追い込めたので、そこは良かったです」と制球向上には手ごたえがあった。追い込んだ13人から、奪三振は5つ。「フォークが良くなかった印象です。ボールからボール、の軌道だったので」。5回73球と最終的に球数が増えた要因にもなったが、1カ月前と比べれば劇的に改善している。

オフは球速アップを求めた。体が大きくなった一方で、キャンプ前からフォーム固めに苦心。特に2月22日の西武戦では、3回5安打5四球6失点と荒れた。吉井投手コーチは「体つきが変わって、しっくり来なかったのもあると思う」と話す。ようやく慣れてきて、本来は開幕カードだったこの日の登板を迎えた。「もう仕上げるつもりでやっていきたい」。開幕ローテ入りもほぼ確実になり、さらなる高みへと細部を詰めていく。【金子真仁】