左膝蓋(しつがい)骨骨折からの復活を目指す日本ハム上沢直之投手(26)が、現状設定されている4月24日の開幕直後に、1軍ローテに復帰する可能性が浮上した。25日は千葉・鎌ケ谷でブルペン入り。27日にフリー打撃に登板することが決まり、来週には2軍戦で実戦復帰の見込み。徐々に登板イニングを延ばし、順調なら、9連戦が組まれているゴールデンウイークで戦列復帰する道筋が見えてきた。

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苦しいリハビリを乗り越えた上沢の、1軍復活の舞台が見えてきた。照準は、現状設定されている4月24日の開幕直後。9連戦が組まれているゴールデンウイークだ。「プロ野球も延期になっているし、もしかしたら今年ほぼ1年間(1軍に)いられるかもしれない。しっかり今年結果を残すことが大事かなと思う」。新型コロナウイルスの影響で先が見えない苦しい状況だが、左膝手術から復帰を目指す右腕にとっては、プラスの面も多い。

この日は千葉・鎌ケ谷でブルペン入り。27日には、フリー打撃に登板して、術後初めて打者を相手にすることが決まった。「とにかくバッターに投げる段階にきたということだけでもよかったかな」。30球ほどが予定されており「真っすぐ(を試したいの)が一番ですけど何球か変化球も投げられたら」と胸を膨らませた。

登板後も問題がなければ、続くステップは2軍練習試合での実戦マウンド。最初は1イニングほどが目安となるが、徐々に投球数を増やしていく見込み。

18年日米野球で侍ジャパンを経験している上沢にとっては、東京五輪の1年延期にも特別な思いがある。「1年延びたことは僕にとってはプラスにとらえて」。感動の復活劇を目指す右腕の勝負はここからだ。【山崎純一】

★19年6月18日 DeNA戦の6回、ソトの打球が左膝を直撃し救急搬送

★同19日 都内の病院で左膝蓋(しつがい)骨骨折と診断され、整復固定の手術を受ける

★同30日 都内の病院を退院。装具を付けて歩行している状態

★同8月7日 近況報告のため1軍の札幌ドームを訪問。「1日でも早く戻りたい」

★同10月2日 千葉・鎌ケ谷のリハビリは、患部周辺や上半身の筋力トレーニング、週1度のプールなど。「まだ痛いです」

★同31日 キャッチボール再開

★同11月29日 1000万円減の年俸6000万円プラス出来高払いで契約更改(推定)

★20年1月19日 平地約30メートルの距離で捕手を座らせ投球練習。「五輪中断前に1度(1軍で)投げられたら」

★同2月4日 2軍の沖縄・国頭キャンプでブルペン投球再開。「普通にできることが楽しい」

★同20日 栗山監督が見つめる前で、32球の投球練習