新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐべく、阪神が全力を注いでいる。藤浪ら3選手の感染を前日27日に公表した中、兵庫・西宮市内の鳴尾浜球場に隣接する選手寮「虎風荘」でも食事の際などに細心の注意を払っている。

チームは4月1日まで活動停止を決めているが、再稼働時期についても慎重に検討を進めている。

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阪神谷本球団副社長兼本部長は28日午後にチーム内で新たに体調不良や異変を訴えている首脳陣、選手、スタッフはいないとした。26日深夜に藤浪、伊藤隼、長坂の3選手がPCR検査で陽性判定を受け、27日に球団が公表。病院に入院した3選手の症状について「ちょっと良くなっている。おおむね、ほぼ治ってる人もいるし」。さらに新たな体調不良者がいないかを問われ「出ていないです」と語った。

もちろん、決して楽観視できる状況ではなく、厳戒態勢は変わらない。虎風荘に居住する選手は一時退避を終えて前日27日に寮へ戻ったが、選手間の部屋の行き来やサウナの禁止を徹底。食事の際も、今までは各自がオーダーして受け取る形式だったが、食堂にとどまる時間を短くするため定食形式に変更。食べるときには間隔を空けることも指示されている。

チームは現時点で4月1日まで1軍、ファームともに練習を行わない活動停止を決めている。3選手の感染経路なども確定できておらず、新たな感染者が出ないとは言い切れないのが現状だ。活動停止中の一部練習の解禁も探る一方で、チームとしての再開時期について谷本副社長は「(4月2日に動き始めることができるか)分からないと言っている」と慎重な姿勢を崩さなかった。

「危機的な状況がこれ以上広がらないようにしています」と谷本副社長。虎を包む緊迫した状況は続いている。【松井周治】