今秋のドラフト上位候補は誰か? 複数のプロスカウトを取材した。現時点の評価で、プロ野球のドラフト会議で2位以上の指名を受けそうな選手を紹介する。【アマチュア野球取材班】

【高校生】

センバツ中止がプロのスカウト陣を悩ませている。

ある在京スカウトは「高校生は評価のしようがない。通常は一冬越え、大学・社会人と比べ力がどうなったか判断するが、それができない」と嘆いた。各都道府県の春季大会も中止・延期が相次ぐ。練習試合も限られる。現状では、昨秋までの評価で判断するしかない。

その上で複数のスカウトが真っ先に挙げるのが、中京大中京(愛知)・高橋。神宮大会優勝右腕で、最速148キロの質のいい直球が魅力だ。

【大学生】

今年は大学生に好投手が多い。

北から見ていくと、北海道は苫小牧駒大・伊藤。最速154キロ右腕は奪三振能力が高く、大学日本代表の抑え。

東北は、仙台大・宇田川。最速152キロで、同じく本格派右腕だ。

東京6大学にも好投手がそろう。左腕では、最速151キロの早大・早川が筆頭。先発した22日の巨人2軍戦は8球団が視察した。右腕では、最速155キロの慶大・木沢。同150キロの明大・入江も成長株と期待される。

東海大・山崎は最速153キロ右腕で、カットボールが絶品。広島に1位指名された明大・森下もいた中で「去年見た投手の中で一番」と評価するスカウトもいるほど。ただ、昨秋に右肘を痛め実戦を離れている。復帰まで長引いた場合、評価にどう影響するか。同じ首都リーグの日体大・森は最速155キロ右腕。日体大は近年、プロに好投手を多く輩出しており、続きたい。

関西は、最速147キロ左腕の関大・高野が高評価。野手は、何といっても近大・佐藤。スカウト陣から早くも「1位で間違いない」と声が飛ぶ。関西学生リーグ通算11本塁打の左の大砲で、規格外の飛距離を誇る。

中大・牧はバットコントロールに秀でる。「サニブラウンに勝った男」中大・五十幡は50メートル走5秒6。アマ球界屈指の俊足だ。

【社会人】

社会人NO・1投手と評価されるのは、最速153キロ右腕のトヨタ自動車・栗林。奪三振能力が高い。日本製鉄かずさマジックの右腕、山本は最速155キロ。NTT西日本・大江も快速右腕だ。

以上の15選手は、あくまで現時点での評価に基づく。今後の活躍や成長次第で上位候補となる選手は必ず出てくる。

高校通算53本塁打の東海大相模(神奈川)・西川、1年生の時から甲子園で活躍する明石商(兵庫)の中森と来田、東都リーグを代表する右腕、東洋大・村上、最速150キロ右腕、ホンダ・小野など逸材は多い。