世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、韓国球界も開幕日を模索している。

日本と同様に脅威にさらされながら3月からチーム内の紅白戦を継続。14日予定の韓国野球委員会(KBO)会議で今後の方向性を決め、現時点では5月上旬開幕が有力だという。韓国メディアの記者にオンライン取材で直撃し、現状をリポートする。【取材・構成=酒井俊作】

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爆発的なウイルス感染拡大の危機に遭いながら、韓国球界は開幕に向けて着実に前進している。当初の3月28日開幕予定が延期になったが、開始の見通しが立ちつつある。10年以上、球場でプロ野球取材を重ねる同国記者は「5月初めが有力ですね。全10球団が、144試合を行う意志が強いです」と話した。14日のKBO会議で無観客を前提に方向性が決まるという。

日本は先行き不透明な情勢が続き、チーム活動を一時休止した球団も続出。韓国球界はどうなのか。2月のキャンプを終え、3月に入るとオープン戦全試合が中止になったが、チーム内で紅白戦を重ね、コンディション維持を図ってきた。マスクを着用しながらプレーする試合の光景が海外で報道されると、日本球団の現場でも話題になった。

同記者は「(試合中のマスク着用は)KBOの指針ではないし、義務はありません。球団ごとに違う」と解説した。選手たちは感染防止を徹底し、危機感が表れる。13日現在では、KBO所属選手の感染者はいないという。だが、選手や首脳陣で感染疑いが頻発。そのたびに、球界全体が揺れた。「まず該当選手は『コロナ19』検査を受けます。該当の選手団は練習を中止して、自宅待機します。こういうケースはかなりありましたが、検査結果はすべて陰性でした」と続けた。

韓国は選手らチーム関係者の健康管理に細心の注意を払った。日々の検温を義務づけ、報道陣も同様だ。3月に入国した外国人選手に自宅待機措置を取るなど、予防を徹底する。韓国の感染者数は1万人を超えて日本を上回るが完治数が多く、治療者数は2873人(韓国保健福祉部13日午前0時発表)。重症度で医療機関を振り分ける治療システムが奏功して、新たな感染者は漸減傾向にある。収束に向かいつつある社会的な状況も、KBOが野球を継続できる理由の1つだろう。

ただ、12日には回復者の再陽性診断も出て、予断を許さない。同記者は「もちろん、再び猛威を振るったら、開幕も延期になると思います」と慎重だが、今後の見通しに言及。「オールスターは中止が有力です。ポストシーズンは短縮される可能性が高く、ダブルヘッダーも増えるでしょう」。台湾は12日に世界最速の開幕を果たした。韓国球界も、日々変わる状況を見極めながら動く。

○…韓国の紅白戦はライブ中継が行われたほか、その様子が韓国の国内外で報じられてきた。米スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者は自身のツイッターで、3月28日にマスクを着用してプレーする韓国ロッテの紅白戦を写真とともにツイートした。

また、元阪神のサムスン呉昇桓投手(37)は4月11日に本拠地・大邱で初の紅白戦登板を果たした。韓国日刊スポーツ電子版は「1日も早く、ファンがいっぱいになった球場で投げてみたい」との談話を紹介した。大邱は新型コロナウイルスの集団感染が発生した激震地だったが、いまは収束に向かう。