広島森下暢仁投手はまだ不透明なシーズン開幕にも、マイペースで調整を続けていく。スタンドから佐々岡監督が見つめる中、マツダスタジアムのマウンドで59球を投げた。投球練習は中8日、1勤1休となってから初めて。

監督を前にしても力むことなく球数を抑え、セットポジションでの投球も封印した。意識したことは、左右の打者の内角への投球。「しっかりとした球を投げられた。変化球の精度はキャッチボールからしっかりとやっていきたい」。プロ初のシーズン開幕はまだ見えないが、動揺せずに練習を重ねている。

佐々岡監督は「いい球も投げていた。(練習内容は)そこまで強制はしない。今までやってきたことをやってくれればいい」とルーキーに信頼を寄せている。技術面の細部の調整は開幕日が決まってからでも整えられる。まだ時間があるからこそ、筋力トレーニングにも重きを置く。この日の投球でも力強さが増した印象があった。すでにローテーション入りを決定づけている黄金ルーキーは地に足をつけて開幕を待つ。【前原淳】