ベテラン左腕が改めて健康第一を強調した。ヤクルト石川雅規投手がオンライン会議システム「Zoom」で取材に応じ、9年ぶりの開幕延期に触れた。

東日本大震災が起きた11年も開幕投手に決まっていたが、同じ延期でも質が違う。「今年はまた別の状況。野球は1人のスポーツじゃないし、チームプレーって意味でも難しい。まず健康じゃないと野球ができない。生きていくことが大事なので」。集まれない、照準も定まらない中でも「体は元気」と言い、立ち止まることはない。

最近では新たにナックルカーブに挑戦。「試せる時間とプラスに捉える。カーブは投げていますけど、もっといい変化があるんじゃないかと」。五十嵐亮太投手、小川泰弘投手らに話を聞きながら、ブルペンやキャッチボールに新球を導入。自宅では休校のストレスを抱える子どもたちと楽しめるよう、一緒にできるトレーニングを考えて鍛えている。

開幕戦の日取り、相手とも未定の現状で、高津臣吾監督は開幕投手の再考には至っていない。石川は「僕自身は開幕のつもりで。無観客と言われてますけど、生で見られなくても映像や新聞、ラジオで皆さんが元気になれるように。どんな形であれ、プロとしてプレーを見てもらえるように準備します」と力強く締めた。【鎌田良美】