今夏の甲子園中止決定が20日、主催者から発表された。これを受け、ロッテ井口資仁監督(45)や選手たちが球団を通じてコメントした。

井口監督は国学院久我山(東京)時代、2年夏に甲子園に出場した。昨夏は28年ぶりの母校の甲子園出場を喜んでいた。

「高校野球最大の目標であり夢としていた大会ですから、高校球児の皆様の気持ちを思うと胸が痛くなります。どんな言葉も今は無力かもしれませんが、ただ一つ言えることは、人生はチャレンジの連続で、その中でさまざまな目標設定をしていくということです。高校3年生の皆様はぜひ、次のステージでも新たな目標に挑んでほしいと思っています。この3年間、みんなで1つの目標に向かって頑張った日々は消えません。これからも同じように、目標に向かい進み続けてください」。

 

安田尚憲内野手(21)は井口監督同様、2年夏に履正社(大阪)の主砲として甲子園に出場した。プロ入り後も毎年、母校のグラウンドから始動。思い入れの深い場所だ。

「3年生にとっては、高校3年間でやってきた集大成といえる大会なので、後輩たちのことを想うと自分もつらいです。1月の自主練習で、後輩たちが甲子園目指して頑張っている姿を見ていましたし、その想いを強く感じていました。本当に強く完成されたチームだと思って見守っていたので、春に続いて夏までなくなってしまうのは本当につらいし、言葉にできないほど悲しいです。ただ、ここで人生は終わりではありません。むしろ、まだ始まったばかり。この悔しい経験が長い人生で生きることもあると思います。言葉が非常に難しいのですが、みんなで悔しい思いをして、大変な時期を乗り越えていく事をプラスのエネルギーに変えてほしいと思います」。

 

プロ2年目の藤原恭大外野手(20)は、甲子園の記憶が鮮烈だ。大阪桐蔭の中心選手として、18年に春夏連覇を成し遂げた。高校3年間では「考えて練習をする大切さを学びました」という。

「驚いて言葉が見つかりません。切り替えて、次のステージの目標を見つけるしかないとは思いますけど、簡単には切り替えられないと思います。1つだけ言えるのは3年間、ともに汗を流したメンバーは一生の友達で一生の思い出なので、この3年間の日々はこれからも変わらず、素晴らしい日々として残ると思います。甲子園という目標としていた大会は中止になってしまっても、ここまでこの大会を目標にして頑張ってきた日々を誇りにして、これからも自信をもって野球を続けてほしいと思っています。ぜひこれからも野球を続けてください。お願いします」。

 

大阪出身の田村龍弘捕手(26)は15歳で親元を離れ、青森の光星学院(現・八戸学院光星)で夢を追った。甲子園では3季連続で準優勝。練習後、仲間と寝転んで眺めた青森の星空が、今でも懐かしいという。

「甲子園中止の報道を聞いて、本当にショックです。僕のように、甲子園出場を目指して親元を離れた選手の気持ちを考えると、言葉が見つかりません。すぐには気持ちを切り替えることはできないと思いますが、何とか次の夢や目標を作って頑張ってほしいと思います」。