中日3年目のソイロ・アルモンテ外野手(30)が開幕スタメンを猛アピールした。

チームは29日、ナゴヤドームで約2カ月ぶりの実戦となる紅白戦を開催。コンディション不良からこの日1軍に合流したひげのスイッチ砲は、1打席目で大野雄大投手から駆けつけの1発を放ち、復活を印象づけた。福田や新外国人シエラらとの左翼争いに緊急参戦だ。

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ひげのスイッチ砲は、獲物を逃さなかった。紅白戦の初回、1死二塁の第1打席。アルモンテが大野雄の内角スライダーを完璧にとらえた。打球は左翼ポール際の最前列に着弾。会心のベース1周だ。

「いいスイングができたね。感覚もすごく良かったよ。体の状態もすごくいい。この状態、いいスイングを維持していきたい」

チームはナゴヤドームで約2カ月ぶりの実戦となる紅白戦を開催。その第1号をこの日、1軍に合流したばかりの男がカッ飛ばした。しかも、打ち砕いたのは6月19日の開幕投手が内定しているエース左腕。最高の駆け付け弾で、逆転の開幕スタメンを猛アピールだ。

昨季は8月に右太ももを故障して戦線離脱。母国ドミニカ共和国に帰国後、股関節の手術も検討された。だが手術を回避してウインターリーグで調整。再来日後は2軍キャンプに合流し、調整を続けてきた。本来の3月20日開幕なら間に合わない可能性が高かったが、延期期間で体調を整えた。「100%に近い状態をキープしたい。野球をやっている限り、競争はどこにいってもある。そこは(レギュラーを)つかみ取るだけ」。福田や新外国人シエラらとの左翼争いにも自信をのぞかせた。

来日1年目の18年は規定打席をクリアするなど、打率3割2分1厘の好成績を残した。与田監督も「ケガから復帰して、開幕に間に合いそうな状況になったのは本当に良かった。シエラも(ヒットを)3本打ったし、両方使いたいくらい。頭を悩ませると思う」と、うれしい悲鳴だ。ひげのスイッチ砲の戦列復帰で、外国人枠争いや、左翼争いなど、多岐の相乗効果も見込める。昨季チーム打率リーグ1位の強竜打線に、パワーアップの予感だ。

◆中日の1軍外国人争い NPBは1軍外国人枠5人、出場4人制導入を検討している。このプランが実現すれば、投手は抑え候補のR・マルティネス、中継ぎのゴンサレス、野手は主砲ビシエド、アルモンテ、シエラが登録される見込みだ。ローテ期待のロメロは3月に左肩手術を受けて今季の復帰は微妙。一方、現役キューバ代表右腕の育成ロドリゲスが支配下登録候補に上がる。育成のA・マルティネス、ブリトーも含め、9外国人が在籍している。