規格外パワー健在! DeNA新外国人タイラー・オースティン内野手(28)が、推定140メートルの場外本塁打を放った。2日楽天戦(横浜)に「3番右翼」で先発。3回1死二塁、楽天先発弓削から左翼場外に飛び込む特大2ランをマークした。自主練習期間中もモデルのステファニー夫人とのトレーニングで状態をキープ。オープン戦で12球団最多タイの4発を放った大砲が、確かな実力を証明した。

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強烈な衝撃音とともに打ち出された打球が、無人の左翼席を越えて場外にはずんだ。同点の3回、193センチ左腕の130キロカットボールを完璧にミート。祝福の汽笛とともに悠然とダイヤモンドを周回すると、感染防止のためナインとエアハイタッチをかわした。試合後には日本語で「ヤッター!」と喜ぶと「チームのために大きいのを打つことができてうれしいよ」と自身初という場外弾を冷静に振り返った。

愛妻が食事とトレーニングの両面で支えてくれた。登録は188センチ、100キロだが、自主練習期間に入った最初の4週間で104キロにまで増えたという。そこから雑誌モデルをしていた愛妻とともにトレーニング。「妻の方が体のことをよく知っているので、僕の方が助けられた。やってきたトレーニングが生きているね」と振り返る。また「魚介系は全然だめ」という食事面でも、大好きな牛肉や、来日して好きになった枝豆などの手料理でサポートを受けた。「栄養に関しても妻の方がよく知っているので助かったよ」と感謝の言葉を連ねた。結果、そこから約1カ月で好調だった沖縄キャンプ時と同じ101キロに絞り込んだ。

ラミレス監督にも“予感”はあった。5月19日のチーム練習再開初日からフリー打撃で柵越えを連発した新助っ人を「何本も打ったことより、打ち方やタイミングの取り方がオープン戦や練習試合ですごく状態が良かったときのフィーリングを失っていない。状態をキープしている」と見て取った。すると、その後の紅白戦2試合で3打数2安打2四球と堅調で、この日は場外弾を含めて3打数3安打の大活躍。「非常に良かったと思います」と納得の表情を見せた。

2カ月以上の中断期間を経ても、打力に陰りがないことを証明したオースティン。球音を待ち望んだファンへのメッセージを求められると「チーム全体としてもしっかり準備できている。一丸となってチャンピオンシップを取りたいと思います」と言葉にも力を込めた。【鈴木正章】