大穴急浮上!! 広島アレハンドロ・メヒア内野手(27)が2日、対外試合再開初戦の阪神との練習試合(甲子園)で1発を放った。29、30日の紅白戦に続き、実戦3戦連発と持ち前の長打力をアピール。外国人枠を争うライバルたちが精彩を欠く中、存在感を示している。

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この日出場した外国人4選手の中で一番の輝きを放った。3点ビハインドの7回。メヒアは高めの149キロ直球に、バットを払うようにたたいた。阪神4番手小川が投じた白球はバックスクリーン左へ一直線。外国人枠争いの当落線上から、30日までの紅白戦に続いて3戦連発の長打力を見せつけた。

「紅白戦よりも集中力は高くなる。コンパクトに振れている。ボール球に手を出していない」

現状4つの外国人枠を6選手で争う。メヒアの序列は最後列だった。沖縄2次キャンプの第1クール終了時に、外国人最速で2軍降格。一時は開幕1軍に黄色信号がともったものの、コロナ禍で開幕が遅れ、ピレラの離脱を受けて1軍に復帰した。黙々と練習に取り組み、結果と内容でアピール。序列は着実に上がり、首脳陣の構想の中にも入ってきた。

2軍では18年に3冠王、19年は2冠獲得した。1軍では18年は22試合、19年も56試合の出場にとどまった。2軍のような打棒を発揮できない一因に精神面の弱さがあった。グリップの位置を下げ、バットを捕手側へ寝かせる新打法に取り組み、力まない“脱力打法”を意識する。「これまでの経験を生かしながら、反省を込めて打つことを考えている」。力んで打ち損じてきた過去の自分も振り払っているようだ。

抑え候補だったフランスアやD・ジョンソンの状態が上がらず、外国人枠の構想は当初予定の投手3、野手1から投手2、野手2のプランも挙がる。佐々岡監督は「結果も出ているので自信にしてほしい。外国人枠争いがある中でアピールになったと思う」と評価する。外国人争い大穴だったメヒアが狙うのは開幕1軍ではない。「自信がある」。大きな胸を張って言う、開幕スタメンだ。【前原淳】