白星が、遠い。昨季のリーグ最多勝右腕が、苦しんでいる。開幕投手の日本ハム有原航平投手(27)が26日、楽天4回戦(楽天生命パーク)で今季2度目の先発。強力な中軸を完璧に抑えながらも、要所での制球に苦心し、6回を投げて2年ぶりの2桁被安打となる10安打を許し5失点。開幕から2連敗となった。チームは今季初の同一カード6連戦で、4戦目にして勝ち越しがなくなった。

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杜(もり)の都で降り注ぐ小雨は、冷たかった。6回までに100球を投げた日本ハム有原は、2年ぶりの2桁被安打となる10安打5失点(自責4)で今季2敗目。「ランナーを背負って投げる場面が多く、リズムになかなか乗れない投球になってしまった結果、大量失点してしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。真っすぐも変化球も、制球面で課題を残す形になった」と、反省の言葉を並べた。

立ち上がりから、不運が重なった。1回、先頭の茂木に外角低めの変化球を片手1本で拾われ二塁打にされると、続く鈴木の打球は詰まったおかげで内野安打に。これが、一塁を守る中田の失策を誘い、先制点を失った。4回は2死満塁のピンチで、再び茂木。チェンジアップを打たせたが、これがボテボテの適時内野安打となり、鈴木には押し出しの死球で4点目を失った。

奪った7三振は、ぎりぎりのコースに決まったり、うまく変化球でかわしたりと、目を見張るようなものばかり。3番ブラッシュ、4番浅村の中軸は、内角球を有効に使って完璧に抑えた。それだけに、昨季から相性の悪い1番茂木、2番鈴木大の左打者コンビに許した5安打が悔やまれてならなかった。

開幕戦の19日西武戦(メットライフドーム)では、4回に崩れて6回3失点。開幕から2連敗と苦戦が続くエースだが、栗山監督は「全然、心配ないでしょ。打たれているわけじゃないし」と、まったく悲観はしていない。「この前も、そうだよね。悪くないんだけど…。我慢の時だろうな。打ち取った球が、あんな風に(内野安打に)なったりとか。必ず内容的にひっくり返る時がある」と、信じているからだ。

次回登板は、30日から始まるソフトバンク6連戦中が濃厚だ。舞台は、今季初となる札幌ドーム。昨季15勝を積み上げた右腕は、本拠地で“勝ち運”を取り戻せるか。【中島宙恵】

日本ハム宇佐見(開幕戦に続いてバッテリーを組んだ有原について)「打たれたボールは全て高かったので、もっと自分が低めを要求するジェスチャーを大きくするなど、やれることはあったと思います」