福留塾で不振脱出だ! 阪神近本光司外野手(25)が3日、打撃復調に向けて動き出した。広島戦(マツダスタジアム)は今季13試合目で初の雨天中止。開幕4カードを終えて打率1割台と苦しむ近本は、室内練習場で福留からアドバイスを受けるなど打撃改造に着手。頼れるベテランの金言を胸に、過酷な9連戦で復調の恩返しを目指す。

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打撃不振に悩む近本が、福留からアドバイスをもらった。広島戦の雨天中止決定後、室内での打撃練習。壁にぶち当たっているヒットマンが、43歳のベテランから熱血指導を受けた。

福留塾では打撃面での足の上げ方や、タイミングの取り方などを約10分レクチャーされた。詳細は明かさなかったが、金言を授かった後は、確認しながら打撃マシンを打ち込んだ。「勉強させてもらっています」と近本。福留が荷物をまとめて練習場を引き揚げる際には、呼び止めてもう一度アドバイスを乞う熱心ぶり。雨のおかげで普段のビジターより練習も長くでき、手応えもつかめた。福留塾に途中で加わった矢野監督も「同じ左バッターで、孝介(福留)から教えてもらうというのはチカ(近本)にとってもよかったと思う」と目を細めた。

昨季は159安打でセ・リーグ新人安打記録を樹立。だが悩んだ時には福留の助言で道が開けたという。「去年も打てない時は、試合中だったり試合が終わってからだったり、練習の時も声をかけていただいて『こうなってる』っていうのは教えていただいていました。改善されたなというのはよくありました」。

阪神は開幕から4カード連続の負け越しで、両リーグ最速タイの10敗。チーム打率は2割1厘と沈黙を続ける。中でも近本は規定打席到達者ワースト2位の打率1割4分9厘と深刻だ。指揮官は「チカ(近本)も打ってもらわないと困るし、ボーアだってサンズだって打ってもらわないと困る。その中でも相手にとって嫌がられるのは近本」とあらためてキーマンに指名。小技あり、盗塁ありの近本が復調すれば、浮上の近道になるはずだ。

この日の中止分は6日の予備日に組み込まれ、4日から過酷な9連戦が始まる。だが近本は「(課題は)明確になってきています」と手応え十分だ。4日はエース大瀬良がスライドしてくる。福留塾をきっかけに、復調の恩返しを届けたい。【只松憲】

<今季の近本>

◆開幕2番(6月19日=巨人戦)矢野監督の目玉構想で2番中堅で出場も、菅野撃ちならずノーヒット。2戦目も無安打に終わった。

◆初回先頭打者弾(同21日=巨人戦)3試合目で1番へ打順変更。すると1回、サンチェスから今季初安打となる先頭打者アーチを放った。

◆センター大山(7月1日=中日戦)打撃低迷から、7回表の打席後に今季初の途中交代。その裏から大山がプロ初の中堅に入った。

◆バット投げた(同2日=中日戦)2点を追う9回無死一、二塁で送りバント失敗後、強攻に切り替えたが遊飛。悔しさのあまりバットをたたきつけた。