無人だった客席にファンの姿が戻ってきた。10日、プロ野球は政府の指針に沿って5000人を上限に観客を入れて公式戦が実施された。

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<巨人-ヤクルト>◇10日◇ほっともっと神戸(試合中止)

○…ヤクルトファン歴12年の笹原敦哉さん(19=大学生)は、埼玉から駆けつけた。都内の大学に在学中で、新幹線でオンライン授業を受けながら神戸に移動してきた。原の2020クルーユニホームを着用し「やっと、試合を生で見られるだけでうれしい。テレビよりも全然いいです。青木選手に頑張ってほしい」と応援していた。

▽神戸市在住のヤクルトファン和田士帆さん 石川投手のファンなので、地元神戸でヤクルトの試合が見られることが、とてもうれしいです。興奮しています。

▽「東京若燕会」の若松会長 ほっともっと神戸は唯一、来たことがない球場だった。中に入って、観戦できることがうれしい。応援できないのは、しょうがないこと。シーズンは始まったばかりだが、この3連戦が大事だと思う。

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<中日3-2広島>◇10日◇ナゴヤドーム

○…ナゴヤドームで年間約20試合観戦するパート社員の加藤真由美さんは愛知・犬山市から訪れ、友人4人と2席ずつ空けて観戦。背番号7のレプリカユニホームを着て「根尾君に期待しています。中日の新たなレジェンドになることを期待しています」と試合を楽しんだ。中日は直前のヤクルト戦で2敗1分けと元気がなかっただけに「今日がスタートのつもりで頑張ってほしい」とエールを送った。試合前には中日大島オーナーがスタンドを訪れて着席状況などを確認した。

○…カープファンも待ちに待った観客の入場解禁に胸を躍らせた。名古屋市在住の会社員・田中雄之(たけし)さんは堂林の背番号7のユニホームを着用してナゴヤドームへ。「6月末のマツダでのチケットも買っていたんです。ようやく球場に来られた。めちゃくちゃうれしいです。地元出身の堂林が調子いいので期待しています。大瀬良も投げるので勝ってくれるでしょう」と喜んだ。

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<阪神3-2DeNA>◇10日◇甲子園(5回雨天コールド)

○…甲子園では阪神ファンとDeNAファンの兄弟が左翼席から声援を送った。2人は佐賀出身で神戸在住。兄英史さんが虎党で島田ファン。弟泰弘さんは大洋時代からのDeNA好きで同じ佐賀出身の宮崎と浜口を応援する。泰弘さんは「昨年はビジター席で騒いでましたが、今日は落ち着いて。でも興奮しちゃうと思いますね」と話した。

○…阪神ファンの曽我部始さん(50代)と優子さん(40代)夫婦は、この日のために購入した阪神柄のマスクを着用。元々このチケットを持っていたが、ネットで再購入する際は約1時間ほどかかったという。毎年6回ほど観戦し、メガホンやジェット風船を使って応援していた。今回は新しい応援方法を事前に調べて、ジェット風船の絵と「勝つで」の文字を記した手作りボードを持参した。始さんは「やっと来たな、という感じです」と笑顔だった。

▽阪神西勇輝のユニホームを着た大高太治さん(43) 初めて来ました。静岡県出身で中日ファンだったんですが、大阪にずっと住んでいるのでみんなと楽しもうと思って、今年から阪神ファンになりました。めっちゃ楽しみにしていました。

▽阪神ボーアのユニホームを着た渡部裕之さん(54) 2~3週間前に買いました。キャンプでも見ていたし、ボーアにかけな仕方ないと思っていた。買うか正直迷いましたが…昨日打ったから着られました!

▽甲子園の年間シートを6年連続で買っていた淀谷浩二さん(50代) 今日のチケットが発売されてすぐに買いました。これまでの試合はテレビで見ていました。中で買えるか分からないので、軽食を持ってきました。消毒や手洗いはこまめにしようと思います。