虎党のみんな、見てたかい!? 阪神新外国人のジャスティン・ボーア内野手(32)が、ファンの前で公式戦初アーチをかっ飛ばした。0-0の2回第1打席。二塁打の大山を置き、DeNAの先発今永の真ん中低めのカットボールをすくい上げた。打球は虎党の声援に後押しされるように、左中間スタンドへ一直線。ボーアは高々とバットを放り投げ、今季4号となる先制2ランを決めた。今季3発は右方向だったが、初の左方向。バースの弾道をほうふつさせる1発だった。

ダイヤモンド1周後、ベンチ前ではおなじみの「ファイアボール」ポーズは披露しなかった。「悠輔(大山)にファイアボールをお願いされたから、代わりにやってもらったよ(笑い)」と明かし、ノリノリで大山にポーズを促した。直後の3回の守備に就く際には、球場のファンから「ボーア! ボーア!」とコールを受けた。紳士な助っ人は、右手で帽子をとってスタンドに一礼。来日後初めて本拠地で受ける大合唱は、感無量の瞬間だ。

チームは6月26日に敵地で今永と対戦。左腕に苦手傾向のあったボーアは、同試合で来日初めてスタメンを外された。助っ人として屈辱的な思いを味わった日から2週間後。その悔しさを第1打席で晴らした。今季4本のアーチのうち3本は左腕から放っており、心配していた「左腕アレルギー」もウソのよう。さらに、阪神の打者が甲子園で今永から本塁打を放つのは4年ぶりだった。

8回にも左前へ運び、今季3度目の複数安打を記録。9回に藤川が逆転を許して空砲になったが、直近5試合は18打数8安打で打率4割4分4厘、3本塁打9打点と絶好調だ。矢野監督も「完璧なホームランでしたし、あの後ももう1本ヒットも出ている。状態としても上がって来ている」と高評価。メジャー通算92発の期待の助っ人が上昇気流に乗ってきた。【只松憲】

▼阪神ボーアが先制の4号2ラン。開幕直後は18打席連続無安打だったが、6月24日のヤクルト戦で初安打を放つと調子を上げ、7月1日の中日戦で来日初本塁打。初安打を打った試合から13戦は40打数15安打、打率3割7分5厘と急上昇。シーズン前から苦戦していた左腕に対しても、打率こそ1割9分だが、4本の本塁打のうち3本が左腕(岡田、メルセデス、今永)からと対応しつつある。