首位を走る楽天打線を沈黙させた。ソフトバンク石川柊太投手(28)が7回11奪三振の力投で2勝目。チームを今季初の3連勝に導いた。

鷹の「ドクターK」と言っていい投げっぷりだった。初回から3連続三振の快調なスタートを切ると、4回までに打者12人から10三振を奪った。2回浅村の二ゴロと4回鈴木大の左飛以外は、すべて甲斐のミットの中でアウトを重ねた。4回まではパーフェクト投球。140キロ台後半の直球にスライダー、パワーカーブ、フォークを駆使してマウンドから打者を見下ろした。

「いい感じでは投げていたけど、三振を取って逆に怖いというか、慎重にというか危機感を持って投げていました」。3点リードで迎えた5回には浅村に初安打、1死後にロメロに中越えの適時二塁打を許した。「慎重になるけど、大胆にというバランスが難しい。ロメロには置きにいった球を投げて。やっぱり打たれるよな」。女房役の甲斐とベンチで話し、気持ちを整えた。7回91球を投げ2安打1失点。「結果としては1点で済んだけど反省点はある」と好投にも口元を引き締めた。

名前に咲く「柊(ひいらぎ)」は、葉は強く、秋に白い花をつける。そんな強さと愛らしさを備える人への願いを込めて名付けられた右腕は、開幕から調子の出なかったチームを勝率5割に引き戻した。「三振は1つのバロメーターでもあるけど、2巡目も三振を取れるように求めていかないと」。快投に浮かれることなくさらなるレベルアップを誓っていた。【佐竹英治】