DeNAがプロ野球史上初の“ヌケヌケ珍記録”を達成した。先発大貫晋一投手(26)が自己最長の8回2失点で今季初白星を挙げた。前回登板から1回で降板を告げられた中3日の“かど番マウンド”で89球のノビノビ快投。6月26日阪神戦から14試合で白星と黒星が交互に続いた“千秋楽”は白星を添えて“勝ち越し”を決めた。

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かど番の大貫が球史に残る珍記録を演出した。臆すことなくストライク先行で投げ込み8回89球で今季初白星。10日阪神戦から中3日で先発した右腕は「前回は悔しい思いをした。チームのため1球1球、意識を持って投げた」。すいすいと被安打3の好投で逆転勝利へと結びつけた。登板前は結果にかかわらずに抹消する予定だったラミレス親方も「素晴らしい投球によって僕の考えを変えてしまった。次回もいってもらう」と快投をたたえた。

1点を追う4回。休場中のオースティン不在を感じさせない攻撃で体勢をひっくり返した。無死一、二塁から佐野が中前へ同点適時打。なお1死満塁から倉本が、遊ゴロ併殺かと思われたが、二塁ベースカバーに入った中日石川駿がベースを踏んでいないとのリクエストを要求。ラミレス親方の“物言い”が行司差し違えで勝ち越しに加えてオールセーフ。伊藤光、梶谷にも適時打が出て一挙5得点でうっちゃった。

5連勝を決めた6月26日阪神戦から白星と黒星を交互に繰り返してきた。7勝7敗の五分で迎えた千秋楽? に白星を添え、プロ野球史上初の15戦ヌケヌケを達成。ラミレス親方は「これだけ勝ちと負けが交互に続くのはそんなに起きることじゃない」と肯定も否定もせず「まずは明日勝つことに集中したい」と15戦ぶりの連勝を強く希望した。

一進一退を続けてきた“敵地巡業”での勝ち越しも見えてきた。12試合を終えて6勝6敗をキープ。同親方は「長期ロードに出る前に5割でと言ってきた。まさにそういう展開になってきている。今いる選手でベストの戦い方、ベストな点の取り方を考えてやっていくことが重要」とした。まわしを締め直し、明日の取り組みに集中する。【為田聡史】

◆ヌケヌケ 相撲用語で勝ちと負けが交互につくこと。初日が白星だと8勝7敗で勝ち越せるが、黒星で始まると7勝8敗の負け越しとなる。

▽DeNA梶谷(3安打2打点の猛打賞)「しっかりと集中して捉えることができた。大貫を援護できてうれしい」

▽DeNA佐野(4回に同点適時打を放ち)「いいところに落ちてくれた。チャンスの場面だったので積極的にいきました」