4987人が集まった広島で、巨人原辰徳監督がミスターを超える節目の勝利に到達した。「すごく偉大な先輩であり、私にとって大変強く影響を受けた先輩の1人」と感謝して、続けた。「我々は戦場にいる。そういうことは忘れて一心不乱に今日のゲーム。喜んでいられない。それが本音です」。

選手の状態を見極めながら、最善策を打つ。5回まで109球の先発菅野に6回の好機で代打を送ると、直後にはデラロサの代役としてクローザー指名しながら、前回登板で2四死球を出した沢村を投入。有観客試合3試合目での初勝利に「初めて?それは失礼しました」と笑った。

中止になった7日の甲子園から前例のない長期遠征が続き、東京ドームに戻るのは28日。例年とは違う変則日程にも「全てを受け止める」とぶれることはない。兵庫の宿舎では大ヒットした北野武監督の映画「アウトレイジ」シリーズを見てリフレッシュ。ユーチューブ観賞にもトライする。巨人歴代1位の監督通算1066勝に向けて「1つ1つの勝利を積み上げていくことがとても大事。明日の勝利を強く目指す」と言った。オンとオフを切り替えながら、チームと共に前進する。【前田祐輔】