20打席ぶりの安打が広島の連敗を止める決勝グランドスラムとなった。

「6番左翼」で2戦ぶり先発のホセ・ピレラ外野手は2点を追う6回。2死満塁から阪神藤浪の154キロを強振した。

右翼方向に上がった飛球はポール際の最前列に飛び込み、試合をひっくり返した。

劣勢の得点機で力強く左足を踏み込み、バットにすべての力を込めた。「前の打席で少し詰まっていたので、速いストレートに合わせて打ちにいきました。森下も頑張っているので何とかしたかった」。151キロに詰まらされた4回の打席の反省を生かした。

開幕1番で好スタートを切りながら、15日巨人戦の4打席目から19打席連続無安打。先発から外れる試合も増えた。開幕前から状態が悪いときは上半身の力に頼る傾向があった。調整をコーチに一任された開幕延期期間も下半身主導の打撃を徹底。この日は力負けした打席を経て、外角直球を基本通りの下半身主導でスタンドに放り込んだ。

打順が変わり、役割も変わる。「自分自身、持っているものすべてグラウンドで出して、チームに貢献したい」。原点回帰で、助っ人が再び上昇気流に乗る。【前原淳】