4番の19号ソロは、空砲に終わった。日本ハムは20日楽天9回戦(札幌ドーム)で、延長10回の末、今季3度目の引き分け。中田翔内野手(31)の2打点の活躍もあって9回2死まで3点リードも、守護神の秋吉亮投手(31)がカウント1ボール2ストライクから3ランを浴び、土壇場で追い付かれてしまった。勝率は5割のまま。21日から仕切りなおしの3連戦に臨む。

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まさかの同点劇にも、一塁上の中田は冷静を装った。試合は序盤から日本ハム優位の展開。1回1死一、三塁から自身の遊ゴロで1点を先制し、4回には楽天松井から「打った感触は完璧。いいところで打てて良かった」という自画自賛の19号ソロを、左翼席最上段へぶち込んだ。本塁打&打点で2冠をひた走る4番が打撃を引っ張り、3-0で迎えた9回2死の守り。試合終了まで、あとストライク1つというところで、勝利はするりと離れていった。

9回、土壇場で守護神の秋吉が同点3ランを浴びて、勝負は延長戦へ。10回1死一、二塁で、打順は、ここまで4打数2安打2打点の中田にまわった。フルカウントからの6球目。ブセニッツの変化球に合わせたが、捉えたのはバットの先だった。打球は左中間へ。滞空時間が長かった分だけ、中堅手の辰巳は悠々と捕球。絶好のサヨナラ機を逃し、背番号6は肩を落とした。

主砲の1発を「素晴らしかったね」とたたえた栗山監督だったが、逃した勝利は痛かった。今季3度目の引き分けで、貯金生活は21日以降に持ち越しへ。1週間前には4・5と離れていた5位西武との差は、いつの間にか1・5に縮まった。指揮官は「いい形で3点、取れたけど…。全て割り切って、明日(21日)から楽天との3連戦が始まると思って、しっかりやります。オレも必死になっているよ」。多くを語らず、反攻の糧にする。【中島宙恵】