阪神が延長10回、最下位ヤクルトに痛い競り負けを喫した。5番手馬場が決勝点を献上し、連勝は3でストップ。首位巨人とのゲーム差は7・5に開き、6日にも自力V消滅の危機に立たされた。救いは絶好調の4番ジェリー・サンズ外野手(32)の一時同点2ラン。来日初の3戦連発で希望をともした。

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4番が来日初の3戦連発を決め、敗戦の中に希望をともした。2点を追う7回無死一塁。サンズが山中の外角109キロスライダーを左中間席へ運ぶ14号同点2ランを放った。「山中投手にずっといい投球をされていた中で、糸井さんが出塁してくれたからかえしたいと思っていた。珍しく甘く入ったボールを、一発で仕留めることができてよかったよ」。絶好調4番が一時試合を振り出しに戻した。

打線は過去4勝7敗と苦手にしている下手投げ右腕、山中にこの日も苦戦。100キロ台のスライダーと120キロ台の直球を主体にタイミングを外され、6回まで2安打無得点。両リーグトップの得点圏打率を誇るサンズも、4回1死一、二塁の好機は103キロのスライダーで二飛に倒れた。だが、失敗は繰り返さない。続く第3打席はカウント3-1まで全球見逃し。甘い球を待ち、この打席初めて投じられた5球目のスライダーを、完璧に仕留めた。

前日1日の同カードは、チーム全2得点をたたき出す先制打&サヨナラ弾。この日も同点2ランがチーム唯一の得点となった。矢野監督もあらためて勝負強さをたたえた。「自分の形を変えない部分もあるし、駆け引きもある。チャンスに強いというのは1つのことだけではそうならない。いろんな部分が優れている」。試合内での対応力など総合力を評価した。

8月20日の巨人戦(東京ドーム)で4番に座って以降の12試合で、打率3割2分6厘、5本塁打、14打点の絶好調。打線の呼応も待ちつつ、頼れる助っ人のバットは当分、止まりそうもない。【奥田隼人】

▼阪神選手の3試合連続本塁打は、大山が今季8月8日広島戦から10日DeNA戦で3試合連発して以来。外国人選手では、ゴメスが15年9月19日DeNA戦から21日ヤクルト戦の3戦連続以来。

▼阪神は最短6日に今季の自力優勝の可能性が消える。3日ヤクルト戦●で4~6日巨人戦●●●なら、7日以降の54試合に先勝しても最終成績は84勝33敗3分けで勝率7割1分8厘。巨人は阪神戦の11試合に全敗しても、他球団との44試合に全勝すれば7割2分6厘となり、阪神を上回るため。