イースタン・リーグ“3冠王”の日本ハム育成2位・樋口龍之介内野手(26)が、支配下登録期限(今月30日)目前で猛アピールを続けている。21日、2軍西武戦(鎌ケ谷)に3番三塁で出場し、4回に左翼線二塁打を放って、2打数1安打1四球。打率を3割4分7厘に上げ、本塁打、出塁率とともに3部門でトップに立った。持ち味の打撃力で、支配下登録、そして1軍昇格を勝ち取る。

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下克上ロードを突き進んできた樋口の支配下登録が目前に迫っている。イースタン・リーグ西武戦は、サブマリン与座との対戦。今季1軍で8試合に登板し2勝を挙げている相手から、4回無死一塁で左翼線へ二塁打を放った。打率を3割4分7厘に上げてリーグトップ。12本塁打、出塁率4割4分6厘と合わせ、3部門でトップに立った。「打点と本塁打は気にしていない。打率と出塁率にはこだわっている」と、安打を積み重ねてきた。

目標達成へ、着実に歩んできた。「まずは支配下が目標」。今年中の支配下登録を目指し、6、7月度はファーム月間MVPに輝いた。「アピールに関しては、数字が出ているのはいいこと。数字を出していくしかない」と現状に満足することなく、進んできた。

新型コロナの影響で開幕が遅れた今年は、今月30日が支配下登録期限。栗山監督からも「ずっと見ているよ」と熱視線を送られながら、充実の日々を過ごしている。樋口は「やるしかないって感じで、やっています。とにかくタイミングを合わせて、バットを振る」と積極的な姿勢を貫いている。荒木2軍監督兼投手コーチは「ベンチでも必死。途中交代した後も一番前で見ている」と野球と向き合う姿勢を評価している。

球団では7月、横浜高の後輩・高浜が初の支配下登録を勝ち取った。樋口は「(1軍では)結果を出したい気持ちも出てくる。緊張感も出てくる」と未知の舞台に思いをはせる。大学、BCリーグを経由した苦労人が、夢を引き寄せる。【田中彩友美】