新切り込み隊長アピール!! 新人の広島宇草孔基外野手(23)がプロ初のマルチ安打を含む全4打席出塁で、2戦連続1番起用に応えた。2戦合計5打数3安打で打率は6割。出塁率7割5分。2試合連続盗塁も決めた。1軍生き残りだけでなく、次代のトップバッターとして持ち味を存分に発揮した。

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1番宇草が躍動する姿に、マツダスタジアムのスタンドが沸いた。1回に一塁けん制に飛び出し、プロ初の盗塁失敗を記録するも、四球で出塁した3回に2試合連続盗塁でやり返した。1回の足で奪った遊撃内野安打に続き、5回は技術で左前打。プロ初の複数安打となった。6回も四球を選び、前日から6打席連続出塁。出場2試合とはいえ、打率6割、出塁率7割5分だ。前日のプロデビューに続いて、トップバッターとしての役割を十分に果たした。

「(1番起用に)緊張したんですけど、自分のできることを全力でやろうと思って臨みました」

ダイヤモンド駆けまわる姿が、広島のレジェンドと重なった。7月下旬に東出2軍打撃コーチの助言からグリップの位置を下げた。イメージは黄金期の広島のスター選手、高橋慶彦氏。映像で見たことはなかったものの、コーチ陣の指導を受けながら慶彦流フォームを固めた。「左手で傘を持つように構えて、ボールをつかまえるイメージで。イメージでいうと、ポンッとボールをつかみたい」。新フォームで1軍昇格をつかみ、1番打者として存在感を発揮する。

宇草に引っ張られるように、打線は5試合連続2桁安打となる14安打9得点で、引き分けを挟み今季初の4連勝。「課題も見つかったので、毎日勉強しながらやっていきたい」。シーズンは終盤も、宇草にとっては競争に身を投じたばかり。実績ある田中広だけでなく、若い大盛や野間ら1番タイプの選手がそろう広島の中で、次代の切り込み隊長候補に名乗りを上げた。【前原淳】

▽広島長野(2点を追う2回無死一、二塁で中前適時打を放つなど2タイムリー)「(1本目は)まっちゃん(二塁走者の松山)がかえってこられるところに落ちてくれました」