ソフトバンクのリリーフ陣が執念の投球で引き分けに持ち込んだ。

獅子打線を相手に終盤、何度もピンチを招きながら、勝ち越しのホームベースを死守した。2位ロッテは試合が中止だったため、ゲーム差1は変わらず。9日から本拠地ペイペイドームで首位攻防戦に臨む。

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西武との3連戦を執念のドローで終えた工藤公康監督(57)は、すぐに次の戦いへ目を向けた。9日から2位ロッテを福岡に迎えての3連戦だ。「大一番のロッテというところ。選手たちも自ずと気合が入ると思う」。終盤のピンチでも屈しなかった選手たちの思いにも乗せられ、指揮官の言葉も熱くなった。

同点の8回、前日に2カ月ぶり失点で負け投手になったモイネロが登板。1死二塁のピンチをしのぎ無失点でつないだ。9回はこの日、国内FA権を取得したストッパー森だ。1死三塁から山川、外崎を申告敬遠で歩かせ満塁に。だがそこからが真骨頂。木村を空振り三振、金子も右飛に抑えた。延長10回は高橋礼が無死一、二塁から踏ん張って引き分けに持ち込んだ。

嘉弥真、モイネロが打たれ逆転負けした翌日にブルペン陣が気迫の投球を見せた。リーダーの森は「モイネロも嘉弥真さんもずっと抑えている。しっかり中継ぎでカバーし合って、中継ぎでは絶対負けないぞという気持ちだった。負けなくて良かったと思う」と胸を張った。

2位ロッテは試合が雨天中止でゲーム差は変わらず1のまま。9日からは福岡に戻りの直接対決が待つ。打線がこれまでの本塁打攻勢ではなく2回に松田宣の適時打で先制。3回にも栗原の2点打と松田宣の適時内野安打で加点と「つながり」から得点したのは明るい材料だ。

工藤監督は「負けられない試合が続く。体力、気力の勝負になる。それだけは負けないように、強い気持ちを持って。1試合も無駄にしない思いで戦いたい」と力強く話した。ロッテには今季4勝10敗と大きく負け越し、福岡でも5連敗中。苦戦が続いているライバルに真っ向勝負で挑む。【山本大地】