阪神のドラフト2位井上広大外野手(19)が、デビューから2試合連続スタメン出場したが、4打数無安打に終わった。守備では痛恨の初失策も記録するなど、2戦連続で厳しいプロの洗礼を浴びた。

川藤幸三以来、52年ぶりの球団高卒新人野手のデビュー戦先発に続き、この日も「7番ライト井上」がコールされた。だが、初回に守備でつまずいた。1死二塁、アルモンテが放った右前への打球に前進チャージ。素早い本塁送球を試みようとしたが、バウンドを合わせられず、後逸してしまった。記録は適時打と打者の二塁進塁にプロ初失策が付いた。ウエスタン・リーグでは61試合に出場(DH3試合)して失策は1つだけだったが、積極的な姿勢が裏目に出た。

打撃でミスを取り返したかったが、快音は2戦目もお預けとなった。先発左腕松葉には、2度の得点圏でともに三ゴロに抑えられた。第3、4打席は福、祖父江の救援陣に連続の空振り三振。前日はエース大野雄の前に3打数無安打2三振を喫した。デビューから2戦7打席無安打4三振。だが、ファンを沸かせる大きなファウルもあった。4つの三振も全て空振りで、積極的にバットは出ている。

新人を2戦連続で抜てきした矢野監督も、成長の糧にすることを期待した。「どっち(守備と打撃)も悔しいんじゃないの。でも、使っているオレらの責任というのもある。別に全部うまくやれると思って使っているわけじゃない。経験していく中から難しい打球ではないので、目付けとかそういうことだと思う。しっかりやっていく経験を積んでいる段階なので」。

16日からは甲子園に戻り、本拠地デビューが待っている。履正社時代に4番で全国制覇を果たすなど暴れ回り、今年3月のオープン戦のお試し1軍でも豪快な適時二塁打を放った舞台だ。熱いファンの前で、待望のプロ初安打を。19歳の若きスラッガーは、苦しみながらもプロの壁を越えていくはずだ。【奥田隼人】