ソフトバンク5G打線だ。初回速攻で6連打4得点。つながる高速大容量攻撃で楽天を圧倒し、連勝を6に伸ばした。2位ロッテも勝ったためゲーム差は4のままだが、快勝に工藤公康監督(57)は「理想的すぎる攻撃ですね。今年は勝つぞという思いを持って試合してくれているのが何より大きい」と目を細めた。

初回1死から川島が左前打で出ると、続く柳田も左前打。一、二塁で4番グラシアルが左前に先制タイムリーを放つ。さらに栗原、中村晃、松田宣も続いて4者連続適時打。すべて単打の6連打で、過去2度の対戦で無得点に抑えられていた楽天塩見を攻略した。

連勝中は次々と苦手投手を破っている。11日ロッテ戦では、試合前時点で今季4戦4敗だった美馬に勝利。オリックス3連戦では山本、山崎福、田嶋といずれも苦戦させられていた相手を打ちカード3連勝を決めてきた。この日は3回に10号2ランも放ち、8年連続2桁本塁打とした松田宣は「どこのピッチャーもいいですから。その中で勝ちきっているからこその6連勝だと思う。続けていきたい」とうなずいた。

初回適時打の栗原、グラシアル、松田宣らがそろって、日光のまぶしさを抑える「アイブラック」を付けてプレー。なぜドーム球場のナイターでも付けるのか。栗原は「ジュリ(グラシアル)が『一緒に塗ろうぜ』と。ドームでは効果はわかりません(笑い)。ワクワクするような、試合を楽しむ感じを出すためです」と明かす。終盤戦に向けて、この一体感と楽しむ心が武器だ。【山本大地】

▽ソフトバンク・グラシアル(初回先制打。3連打目)「チャンスでランナーを返すことができて良かった。初回から先制できたし、いいところに飛んでくれました」

▽ソフトバンク栗原(初回2点目の適時打。4連打目)「いい流れに乗れました。追い込まれていたし、次につなぐことができて良かったです」

▽ソフトバンク中村晃(初回3点目の適時打。5連打目)「いい流れで回ってきたので、自分もつなぐことができて良かったです」