ヤクルトにドラフト指名された東北福祉大(宮城)仲良しコンビが、即戦力として神宮球場で大暴れする。2位で仙台6大学無敗(32試合22勝0敗)の左腕・山野太一(高川学園)、4位で唯一無二の遊撃手を目指す元山飛優主将(ともに4年=佐久長聖)が27日、仙台市内の同大で伊東昭光編成部長(57)、斉藤宜之スカウト(44)から指名あいさつを受けた。

まるで掛け合い漫才だった。指名あいさつ後の取材で山野が「ずっと一緒のチームに行きたいと言っていた。元山の守備に何度も助けられてきたので、また同じチームでできるのは心強い」と真面目に話せば、元山は「何度も山野を助けてきたので、これからも助けたい」。今度はお返しと言わんばかりに左腕が「もうちょい打ってほしい」と強烈なカウンターを放った。

大学1年から仲が良く、新型コロナウイルス感染拡大前は飲みに行く機会が多かった。今はそれができず、元山が寮の山野の部屋を訪れ「文字どおりお邪魔をします」。訪問される側の山野は「僕の部屋の食料を勝手に食べます」と衝撃の被害? を告白する。

ヤクルトは先発と左投手が不足し、遊撃のレギュラーも固定できておらず2人にかかる期待は大きい。伊東編成部長は「山野君はクレバー。抜くところは抜き、力を入れて抑えるところは抑えるピッチングができる。元山君は守備力が高く、バッティングはシュアで勝負強い」と評価する。

山野は先発ローテーション入りし、新人王とバラエティー番組出演を狙う。「1日でも早く1軍のマウンドに立ち、1勝でも多く貢献して日本を代表する投手になる」。自慢の守備で1年目からレギュラーに定着し、将来のMVPを目指す元山は「球団の人気を増やし、日本一に貢献できる選手になりたい」。ミルミルうちに神宮の名コンビに定着していく。【山田愛斗】