2年連続のリーグ優勝から一夜明けた巨人「オカマルコンビ」が、祝砲のアベック弾を打ち上げた。

同点の5回に4番岡本和真内野手(24)がリーグトップを更新する勝ち越し29号3ランを放つと、続く5番丸佳浩外野手(31)は岡本を追う27号ソロ。初タイトルを争う2人のバトルで、チームに勝利を呼び込んだ。先発菅野智之投手(31)は5回1失点で最多勝を決定的にする14勝目を挙げた。

    ◇   ◇   ◇

深夜まで及んだ優勝会見から15時間あまり。前日の午後11時過ぎに、タイトル争いについて「ずっとチームの勝ちを第一にやってきたので、その気持ちで残り試合もやっていきたい」と言った岡本に対して、丸は「僕は足元にも及ばないと思っている。しっかり岡本さんのカバーができればいいかな」と得意の後輩いじりで笑いを誘った。

そんなほのぼのムードから一夜明け、4番岡本が5回に2試合連続の29号勝ち越し3ランをたたき込んだ。ヤクルト小川のフォークを左中間スタンドに運び、3年連続の大台にリーチ。「いい感触で打てました。打てて良かった」。3打点を積み上げた打点王争いも2位に6点差をつけて2冠に前進した。

4番の2試合連続本塁打に、睡眠不足気味の原監督も興奮。深夜のテレビ出演が続いた前夜は、帰宅後も余韻に浸って寝付きが悪かった。「だいぶ本調子に近づいてきた。これぞ4番」とご満悦で、自身も務めた主砲の仕事については「チームに貢献することですよ。4番の難しさであり、やりがい」と語った。

「まあ、しかし、後ろに丸が控えているのは、チームにとっては相乗的。第三者的に見ると2人の戦いも見ものですね」

身内の指揮官も注目する初の本塁打キング争いは、丸が27号ソロで続き、リーグ単独2位に躍り出た。「岡本さんがいいバッティングをしたので、いいイメージで打つことができました。岡本さん、いつもありがとうございます」。こんな明るいタイトル争いも、原監督が「うちには消化試合はありませんよ」という、残り8試合の見どころになる。【前田祐輔】