巨人に「ジャイアント秋広」が現れた。巨人ドラフト5位の二松学舎大付・秋広優人内野手(18)が2日、都内の同校で榑松スカウト部次長、野間口担当スカウトから指名あいさつを受けた。

プロ野球で身長200センチは、日本人では巨人の先輩で後にプロレスラーに転向した馬場正平投手(ジャイアント馬場)以来。高校時代は投打二刀流だった大男は、岡本に弟子入りを希望。野手としてビッグな男を目指す。

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入り口のドアフレームに頭をぶつけないように、腰を少し曲げながら、会見場に“リングイン”した。秋広は「身長200センチ、体重95キロ。足のサイズは32センチです」と大きな背筋を伸ばしアピール。200センチ以上の日本人選手は馬場以来で、ドラフト制後では育成8位の阿部剣友投手(札幌大谷)とともに初となる。

「いずれは止まるかなと思ったんですけど」という身長は、予想に反してグングン伸び続けた。小学校卒業時は180センチで中学校卒業時は198センチ。「特に、特別なことをしたってわけではないんですけど」。遺伝かと思いきや、父が172センチ、母が165センチと両親は決して大きくない。

規格外の大きさで苦労することもある。足のサイズは32センチでスパイクは特注。高校入学後、アシックスの工場に出向き、オーダーメードで作ってもらった。ベッドからは足が飛び出て、天井、ドアのフレームには頭が当たる。バスケットボールのリングには軽く跳べば届くため、体育の授業では、ゴールを決めても点数は他の生徒の2分の1。バスケ部と同じハンディが課せられる。

その分パワーには自信がある。ジャイアント馬場の必殺技が16文キックならば、自身のアピールポイントは「大きい体があるので、フルスイング、打球の力強さ」。高校時代は投手として最速144キロ、打者として高校通算23本塁打の二刀流だったが、球団からは「左の大砲」として期待される。

左右こそ違えど、岡本に憧れ「若くして、本塁打王を狙える位置にいるので」と弟子入りを志願した。「3、4年目には1軍でやっていけるようにしたい」と40本のアーチを思い描く。将来は本塁打王の“ベルト”を腰に巻いてみせる。【久永壮真】

<秋広優人(あきひろ・ゆうと)>

◆生まれ 2002年(平14)9月17日、千葉県。

◆球歴 幼稚園年中時に夏見台アタックスで野球を始め、中学時代は江戸川ボーイズに所属。二松学舎大付では1年秋からベンチ入り。

◆二刀流 右投げ投手として最速144キロ、左打ち打者として高校通算23本塁打を記録。「今のところは練習はどちらも」と投手練習も続けるが「プロでは、どちらもというのは厳しいと思う」。

◆趣味 カラオケとボウリング。十八番はサザンオールスターズの「TSUNAMI」で、ボウリングの最高スコアは199。

◆座右の銘 「野球は心でやるもの」。二松学舎大付・市原監督の教えで「技術や力でも成長できたんですけど、より人間的に成長できた」。

◆プロを意識した時 巨人で先輩となる菊田(常総学院)と対戦し、手応えのあった外角直球を本塁打され「負けてられないと思って本格的に目標にした」。

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◆主な長身選手 プロ野球では14年に楽天に在籍したファンミルの216センチが最長身。他に2メートル以上は、208センチのヒルマン(ロッテ、巨人)205センチのブロス(ヤクルト)203センチのミンチー(広島、ロッテ)ら。日本人選手の2メートル以上は馬場正平だけ。馬場はプロレス転向後に209センチだったが、55~59年の巨人時代は200センチで登録。1軍では57年に3試合に登板し、0勝1敗、防御率1・29の成績だった。ちなみに、今季の日本人選手の最長身は、西武育成投手の大窪士夢で198センチ。