数々の勝利をありがとう-。今季限りで現役を引退する中日吉見一起投手(36)が6日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)で引退試合に臨んだ。先発で打者1人に投げ、空振り三振を奪った。通算90勝でチームの黄金期を支えた右腕が、ファンの最後の声援を受け、マウンドを去った。

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本日はこのような場を設けていただき本当にありがとうございます。また世の中がこんなに大変な状況の中で野球ができていることに感謝しています。

ドラゴンズに入団して、たくさんの出会いがありました。この世界に導いていただき、プロ野球の厳しさを教えてくださった落合さん。入団してすぐにぼくがこの世界で生きる道を示してくださった森さん、打たれてもおれの責任だからと、その代わり考えて投げてこい、と言っていただきぼくをリードしていただいた谷繁さん。ピンチの時などマウンドに来てくださり、いろいろなアドバイスをいただいたり、おれのところに打たせてこい、ゲッツー取るからとぼくを鼓舞してくれた先輩方。何度もけがをしても、きょうまで投げられる体にしてくださったトレーナーのみなさん、トレーニングコーチのみなさん、いつも的確にアドバイスをくださるブルペンキャッチャーのみなさん、たくさんの人と出会ってぼくはきょうここに立つことができています。ありがとうございます。

そしてなにより妻と出会ったこと、妻なしでは今のぼくは間違いなくありません。わがままなぼく、自分勝手なぼく、常にぼくを優先して支えてくれました。ぼく以上に苦労があったんじゃないかと感じています。そして3人の子どもも産んでくれました。本当に感謝です。ありがとう。

選手のみなさん、ドラゴンズは強いです。もっともっと強くなると思います。いつ終わるかわからない人生。1日1日を大事にして後悔のないように今年独走したジャイアンツを倒して与田監督を男にしてください。必ずできると思います。期待しています。

ドラゴンズファンのみなさん、きょうまでぼくを応援していただきありがとうございました。投げる時は恐怖感いっぱいでマウンドに上がるときは怖かったです。ただマウンドに上がるときの声援がぼくの背中を押してくれました。ありがとうございます。

これからドラゴンズは強くなっていきます。チームの力だけでは優勝できません。ファンのみなさんの応援があってチームに伝わり、選手に伝わり、勝利に結びつくと思います。これからもドラゴンズの応援よろしくお願いします。

最後になりますが、15年間、幸せなプロ野球人生でした。本当にありがとうございました。

そして野球の神様、ありがとう。