「4番」を迎える状況の違いが、勝負の明暗を分けた。

ヤクルト村上宗隆内野手と巨人岡本和真内野手の両4番が、2打席連続でアーチを描いた。同じ2発でも、村上のソロ2本に対し、岡本は先制3ランと中押しソロで4打点。2得点で敗れたヤクルトの高津臣吾監督は「巨人の岡本のように、走者をためて(村上の打席を)迎えたかったのが正直なところ」と振り返った。

裏を返せば、巨人岡本の前に走者を出したことも痛かった。先発小川は、3回は先頭吉川尚の内野安打からピンチを招いての3ランで3失点。5回は先頭打者の岡本にフルカウントから手痛い1発を食らった。

高津監督は2ケタ勝利を挙げるなど先発陣を引っ張ってきた小川を評価した上で「巨人とやる時は長打でやられることが多い。いろいろやっても打たれる時はあるかもしれないけど、同じ打者にやられすぎ。相手の4番に走者をためてと、典型的な巨人にやられるパターン。できることが他にあったかなと思う」と、さらに高いレベルを求めた。

反省をしつつ、未来へ向けた種もまいた。10日の広島戦(神宮)でのプロ初先発が決定的となっているドラフト1位ルーキー奥川恭伸投手を初めて出場選手登録し、ベンチ入りさせた。高津監督は「せっかく合流しているんだったら、東京ドームの雰囲気だったりベンチの雰囲気、1軍の雰囲気をできるだけ感じさせたかった。来年に生きるかもしれないのでね。そういうことはできるだけやってあげたいなと思ってました」と明確な狙いを説明した。

今季は残り2試合。勝利を目指しながら、来季を見据えて課題を洗い出していく。