圧倒的な強さでセ・リーグを制し、8年ぶりの日本一を狙う巨人と、4連覇がかかるパ・リーグの覇者ソフトバンクが激突する「SMBC 日本シリーズ2020」が21日、京セラドーム大阪で開幕する。

2年連続となる両チームの対戦。巨人菅野、ソフトバンク千賀の両エースが投げ合う第1戦を中心に、データからの見どころをピックアップした。

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第1戦は巨人が菅野、ソフトバンクは千賀が先発。菅野は自身初めて、千賀は69~72年堀内(巨人)に並び、史上2人目の4年連続での初戦先発となる。この2投手はともに今季のリーグ最多勝同士。最多勝投手が日本シリーズ第1戦で投げ合うのは、03年斉藤(ダイエー)-井川(阪神)以来17年ぶり。シリーズでも過去5度しかない好カードでの幕開けとなる。

好カードと呼べる理由は、通算成績をみても納得だ。2人の先発時の通算勝率は、菅野が6割7分3厘で、千賀が6割8分1厘。この数字は現役投手では1、2位という「負けない」2人の対決でもある。チームを勝たせてきたエース同士の対決は、まさに現在の球界きっての好カードといえるだろう。

2人の投げ合いは公式戦では1度もないが、昨年3月14日のオープン戦で1度投げ合っている。この時はともに5回までパーフェクト投球。菅野が6回2安打無失点、千賀も7回1安打無失点と互いに譲らぬ投手戦を繰り広げた。今度は大舞台で実現した2人の対決。第1戦からどんな展開となるか、いきなり注目だ。」

▼巨人ウィーラーは千賀に対して通算打率2割9分3厘、4本塁打。石川にも打率3割1分3厘と当たっている。中島も対ソフトバンク戦は通算打率2割7分5厘で、カード別最多の37発。昨年はシリーズに出ていない、パ・リーグを知る2人がカギになりそうだ。

▼シーズン50盗塁、成功率8割9分3厘のソフトバンク周東が、盗塁成功で流れを呼び込めるか。対する巨人は盗塁阻止率が両リーグ2位の3割4分2厘。特に菅野は許した盗塁が2個だけで、規定投球回到達者では両リーグ2番目に少ない。

▼11月21日のシリーズ開幕は、50年松竹-毎日戦の11月22日に次いで2番目に遅い。50年は28日に毎日が優勝を決めており、29日の第7戦までもつれれば最も遅い日本一決定となる。

▼巨人とソフトバンクの対戦は2年連続12度目。シリーズで多いカードは(1)巨人-ソフトバンク戦12度(2)巨人-西武戦10度(3)巨人-オリックス戦8度。巨人-ソフトバンク戦が最多で、過去11度の結果は巨人9勝、ソフトバンク2勝。

▼2年以上続けて同じカードは10度目。過去の結果を見ると、「昭和時代」の7度は3年連続を含め前年Vチームがすべて連覇し、「平成時代」の2度は93年ヤクルト、07年中日と前年敗退チームがリベンジ。「令和時代」はどうなるか。