昨年に現役引退し、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(47)が年内にアマ野球で“初指導”する方向で調整していることが28日、分かった。昨年12月に学生野球資格回復研修を受けて今年2月、高校生や大学生を指導できる立場になり、実際に指導すれば今回が初めてになる。

今回の対象は甲子園出場常連の名門校になる予定。指導は数日間の短期になるとみられ、現役の高校球児を相手にしての“イチロー流”が注目される。同氏は26日に神戸市内で行われた「第73回新聞大会」で講演。「(近々指導する姿を)見られると思います。まず(選手を)見たい。だから1日の参加はない。何日か見ていたい」などと話し、意欲を示していた。

◆元プロ野球選手の指導

今回のイチロー氏のような臨時コーチでは元ヤクルト宮本慎也氏(50=日刊スポーツ評論家)が慶大を18日から3日間限定でコーチとして指導。キャッチボールの大切さなどを伝えた。同じ東京6大学では東大が元中日谷沢健一氏(73)や元巨人桑田真澄氏(52)らを特別コーチとして招いた。

高校では元中日山本昌氏(55)が18年から弟の秀明氏が監督を務める日大藤沢(神奈川)の特別臨時コーチを務めている。元近鉄でドジャースでもプレーした中村紀洋氏(47)は、浜松開誠館(静岡)の佐野心監督(53=元中日)とプロ入りが同じ91年ドラフトだった縁で、コーチに就任し、月に何度か指導している。天理(奈良)では、中村良二監督(52)と元近鉄つながりで山崎慎太郎氏(54)が投手コーチをしている。また、元ヤクルトの飯田哲也氏(52)は今春から母校・拓大紅陵(千葉)のコーチに就任(非常勤)した。

浪速(大阪)の元阪神遠山昭治監督(53)は昨年6月から解説の仕事の合間に投手コーチとして指導を行い、昨秋の新チームから監督に就任した。