ソフトバンク大竹耕太郎投手(25)が「リザーブ査定」を発奮材料に先発ローテーションの柱になる。

9日、ペイペイドームで契約交渉に臨み、300万円ダウンの年俸2400万円で更改。3年目の今季は3試合に登板し2勝0敗。昨年の17試合から登板数を減らしたが、2軍では「投手部門3冠」とフル回転だった。球団は1軍先発陣の控えとして待機し続けた姿勢を評価した。(金額は推定)

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大竹と球団の交渉は1時間を超える長丁場になった。当初の提示より、少しの上積みを得て300万円減でサイン。「来年やってやろうという気持ちになりました。僕にとってはそれが大事。納得しています」とうなずいた。

1軍での成績を見れば登板は3試合で、18年の11試合、昨年の17試合より大幅に減っている。それでも、石川がリフレッシュのため出場選手登録を抹消されていた8月13日オリックス戦で初昇格すると、6回途中1失点で初勝利。同19日のロッテ戦も5回2失点。和田がリフレッシュのため登録を外れていた10月25日西武戦で再昇格し、ここでも5回1失点で2勝目を挙げた。3戦負けなしで防御率2・30。コロナ禍による過密日程の中、先発ローテーションの谷間を埋めた左腕は「今年はバックアップのような形で待機することが長かった。その中で、上で投げた試合はある程度投げられた」と振り返った。

1軍の登板機会が巡ってこない中でも、大竹は2軍でローテを守り、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の好成績を収めた。1軍先発陣のリザーブとして好調を維持し、三笠GMは「準備を続けてくれたところをとても評価している。そういう準備も含めての日本一だと思っている」とその姿勢を評価した。

大幅ダウンを免れた大竹は「リザーブ査定」を来季の発奮材料とした。「ローテーションに入って、誰にも譲らない気持ち。不動のローテーションピッチャーになっていくためには、自分自身がレベルアップしないといけない」。オフは2年連続でオリックス山本らと大阪で自主トレを行う予定だ。自らポジションをつかみ取り、巻き返しの1年にする。【山本大地】