大野雄が10完投を記録した。7月31日~9月1日に球団タイ記録の5試合連続完投勝利を挙げ、7月31日からの奪三振は10→10→10。3試合連続2桁奪三振の完投勝利は94年紀藤(広島)以来5人目だった。大野雄の先発は20試合だから、完投率がちょうど5割。規定投球回以上で完投率5割以上は11年田中(楽天)の5割1分9厘(先発27、完投14)以来で、DH制のないセ・リーグでは99年佐々岡(広島)の5割(先発26、完投13)以来となった。今季のセ・リーグは合計36完投で、大野雄以外は延べ700人が先発し26完投。大野雄の完投数がセ・リーグ全体の27・8%を占めた。完投数のリーグ占有率は18年菅野(巨人)の23・3%を抜く新記録だ。

完封が6度あり、完封率は3割。シーズン6完封以上は8完封の18年菅野以来だが、大野雄は2試合連続が3度もあった。連続完封を3度以上やったのは71年江夏(阪神)以来になる。規定投球回以上で完封率3割以上は92年赤堀(近鉄)以来だが、赤堀は救援48試合、先発2試合で1完封。条件を先発15試合以上にすると、完封率3割以上は69年に先発23試合で7完封した江夏以来、51年ぶり。2リーグ制後では9人、10度目の快記録だった。

球団史上初の2年連続防御率1位に輝いた。昨年はチーム最終戦で初めて1位に立ったが、今季もスタートは苦戦。6月終了時はリーグ最下位の防御率9・00。8月終了時でも1位菅野とは1点以上の差があり、球団新記録となった45イニング連続無失点中の10月14日に初めて1位に進出した。2年続けて逆転でタイトルを手にした大野雄が、来季は史上3人目の3年連続防御率1位に挑戦する。【伊藤友一】

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