楽天からFAで移籍したロッテ美馬学投手(34)がチームトップの10勝を挙げた。

FA移籍1年目に2桁勝利は7人、8度目。9年間在籍した楽天では通算51勝したが、10勝以上は17年の1度だけ。FA移籍した年にプロ2度目の2桁勝利は14年中田(ソフトバンク)に次いで2人目となった。

ロッテ打線は美馬を歓迎した。美馬が先発した時のロッテ打線は129イニング攻撃して援護点が87点。19試合のうち11試合で5点以上の援護があり、1試合平均の援護点は6・07点だった。今季、パ・リーグで12試合以上先発した29人の平均援護点を調べると、美馬は涌井(楽天)の6・33点に次いで多く、援護が5点以上の試合は涌井に並び最も多い。美馬を除いたロッテ先発投手は5点以上の援護が101試合のうち23試合しかなく、平均援護点は3・88点へ下がる。美馬の10勝は1失点4勝、2失点2勝、4失点4勝。今季のパ・リーグで4失点以上の勝利投手は12人、17度で、4失点以上で4勝もしたのは美馬だけだった。

パ・リーグで規定投球回に到達したのは18年9人→19年6人→20年8人。18年から3年連続は1人もおらず、19、20年の2年連続も美馬を含めてわずか4人。2年続けてローテーションを守った数少ない投手だが、防御率は19年4・01、20年3・95。パ・リーグの平均防御率が19年3・91、20年3・86だから、2年続けてリーグ平均より悪かった。原因は左打者。対左打者の被打率が19年3割3厘、20年3割1分3厘と、規定投球回以上で左打者に被打率3割以上は美馬しかいない。左打者対策を行い、来季は打線の援護が減っても2桁勝てるようにしたい。【伊藤友一】

「データで見る20年」連載まとめはこちら>>