ロッテは今季、山あり谷ありのシーズンの果てに2位に躍進した。選手、首脳陣の言葉の数々から2020年を全3回で振り返る。今回は中編。【構成・金子真仁】

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◆「和田は自分の力で支配下選手契約を勝ち取りました」(井口資仁監督)

育成選手の和田はオープン戦で猛アピール。しかしコロナ禍で球界が活動自粛に。我慢の時期を乗り越えての大願成就に、ずっと和田の俊足に期待をかけてきた指揮官も熱い言葉。

◆「自宅の駐車場で素振りしていました。いろいろな人に見られるので、視線を感じながら」(藤岡裕大内野手)

活動自粛から再開後の6月2日、その間の自主練習の様子を振り返って。普段のシーズンでは考えにくいシチュエーション。

◆「ZOZOマリンスタジアムに、おかえりなさい」(場内アナウンス・谷保恵美さん)

7月10日、今季初の有観客試合で試合前にアナウンス。誰もがつらかった自粛期間。プロ野球ファンの感動を呼んだ。

◆「9回の守備は重みが違う。そこを任される以上、無責任なボールは投げられない」(益田直也投手)

8月7日、通算100セーブを達成。守護神の思いを話した。8月下旬には通算500試合登板も達成。

◆「みんな、家族だと思っているから」(レオネス・マーティン外野手)

8月11日、日本ハム戦。本塁打の活躍の一方、右翼守備中に“応援団長”としてファンに手拍子を促し、マウンドでピンチを迎える美馬を勇気づけた。

◆「たぶん今後手術する人は増えてくると思うので、その人たちの希望というか、絶対に大丈夫というところを見せれたらなと思います」(大嶺祐太投手)

8月23日、トミー・ジョン手術のリハビリを終え、支配下登録に復活。来季こそ復活の白星を。

◆「柳田を警戒? 危ねえなと思ったので。でももう1人、化け物がいました。グラシアルっていう」(石川歩投手)

9月4日、ソフトバンク柳田を3打数無安打に抑え勝利投手になるも、グラシアルには特大被弾。ソフトバンクの脅威を表現する、石川の味のあるひと言。

◆「名前を呼ばれた時の声援は絶対忘れません」(沢村拓一投手)

9月8日、巨人から移籍し即リリーフ登板で、3者三振の衝撃デビュー。お立ち台では「初めまして、沢村です」。

(後編へつづく)