選手兼ファンクラブ会員の日本ハム・ドラフト6位今川優馬外野手(23=JFE東日本)が17日、夢のシチュエーションに大興奮した。千葉・鎌ケ谷で行われている新人合同自主トレのフリー打撃で、今年から打撃投手に転身した浦野博司氏(31)と“対戦”。ファンとして昨季まで応援してきた投手のボールに感動しながら、習得中のメジャー3冠王ミゲル・カブレラ打法に手応えを得た。

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自然と顔がニヤけた。日本ハムのファンクラブ会員歴は今季で15年目となる今川が打席で対峙(たいじ)したのは、昨季まで現役選手だった浦野氏。「完全にファン目線でした。笑みがこぼれてしまいました」。応援してきた選手が自分のために投げてくれる状況。至福の16スイングだった。豪快なフルスイングが持ち味のフォームは「(米タイガースの)ミゲル・カブレラ選手に、より近づこうと思って最近は取り組んでいます」。目標の選手で、12年にメジャーで3冠王に輝いた強打者の打法習得が現在のテーマだ。

カブレラのようにシンプルな打撃フォームを体に染み込ませようとしている。反動を使わないフォームに変更。スイング軌道も「今まではアッパー過ぎた。打球の角度は上がりやすいけど、上がりすぎると飛ばなくなってしまうので、よりレベルスイングに」とカブレラ化させた。

浦野氏との“対戦”で「意外としっくりきているかな」と手応えも上々だ。バットは880グラムで重心が先端にある中田モデルを大学時代から愛用中。数知れない素振りで手の皮の厚みが増したからか、プロ入りに合わせて「バットが太く感じてきたので皮1枚くらい薄くしてもらいました」。フィットする相棒とともにフォームを完成させ、あこがれのユニホームで躍動を目指す。【木下大輔】

◆ミゲル・カブレラ 1983年4月18日、ベネズエラ生まれ。03年6月にマーリンズでデビューし、1年目に12本塁打、62打点でチームの世界一に貢献。08年からタイガースに所属し、本塁打王と打点王に各2度、首位打者4度で、12年には3冠王を達成した。12年、13年に2年連続MVPとなり、球宴選出は11度。WBCではベネズエラ代表として06年の第1回から4大会に出場。フライボール革命全盛でも角度をつけた打法には反対の考えで「パームアップ打法」を貫く。通算打率3割1分3厘、487本塁打、1729打点。愛称は「ミギー」。193センチ、112キロ、右投げ右打ち。