日本ハム吉田輝星投手(20)が、エースに“プチ・ストーカー”中だ。24日、沖縄・名護での先乗り自主トレに参加。期間中は上沢直之投手(26)にキャッチボール相手になってもらい、上沢の独り言に耳をそばだて、球筋を学んでいる。3年目で初の1軍キャンプインに向けて、大きな背中を追いかけていく。

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サングラス越しに、ほれぼれと球筋を見つめた。吉田輝が、エースを追いかけている。自主トレ中、上沢にキャッチボールの相手を直訴した。時折、聞こえてくる「あー、ここダメだ」「今の違うな」という独り言を「しっかり盗み聞き」。「どこがダメなのか考えながらやっているなと、すごい勉強になりました。勝手に知識をもらっています」と興奮気味に話した。

声だけではなく、音にも注目。吉田輝の生命線、直球が思い通りに走ると、球が縦回転して「シュー」と音がするという。上沢の球からは、理想通りの音が聞こえてくる。「やっぱり球がすごい。キャッチボールしていても結構、怖くて。(球の)回転がキレイ」と感激した。

コーチの勧めもあり、昨季から上沢を追いかけ始めた。有原がメジャー移籍し、エースの台頭は上沢。「有原さんにも結構、面倒見てもらっていたんですけどメジャーにいっちゃった。(上沢は)コントロールもいいし、どうやって投げるんだろうと気になっていた」。球威だけではなく、1球1球に考えを乗せて投げるボールに魅了された。

3年目で初の1軍キャンプスタート。気合十分に、今月10日から一足先にキャンプ地の沖縄・名護で自主トレを始めた。「思ったよりスローペースでいかないと。思い切り投げ過ぎてしまう」と苦笑い。この日はブルペンで直球主体に33球。上沢の隣で、負けじと力強い球を放った。

照準は、チーム初実戦の2月7日の紅白戦(名護)に合わせている。例年よりも早く組まれた実戦での登板へ、鼻息は荒い。「一番、若手がアピールできるところ。第1目標にしてやっていきたい」。まだ大きな背中に、好奇心いっぱいに近づいてく。【田中彩友美】